「憤りを感じる」
また、山根会長は辞任表明の最後に、「どうか選手の皆さん、将来東京五輪に参加できなくても、その次の五輪もあります。頑張ってください」などと発言。これについても菊池氏は、
「東京五輪はダメかもしれないようなことを言っていたが、そこに至ったのは日本連盟と山根会長がやってきたことだ。責任を感じてほしい。憤りを感じる」
と激怒した。
現役選手らにこうした言葉を述べたことに、「高校生や五輪をめざす選手は不安を感じただろう。しかし、勝つべき選手が勝てるように、透明性ある判定ができるように、新しい組織を作り上げたい」とし、
「高校生にあれだけ不安を煽るような発言には、怒りを感じた。会見の形であれだけ不十分な説明をするなら、質問を受けられる形で会見をしてほしかった」
と糾弾している。なおボクシング競技は、IOC(国際オリンピック委員会)で実施の取りやめが継続審議されている状況もある。
一方、会見では日本連盟の内海祥子・常務理事が話す音声データも公開。「近大に勝たせたくないわけさ」「そのために会長が審判を集めてるんだから。お前たち、なんで集められたか知ってるんか言っとかないとダメだよ。正しくやっちゃうといけない」などと、山根会長の意に沿って不正審判のため暗躍するような様子が記録されていた。
このような実態から「再興する会」は、日本連盟のガバナンスを正常化するため、今後の総会で、山根会長の除名に加え、現職理事の総退陣も求めていく姿勢。鶴木氏は「現体制を刷新し、47都道府県の総意のもと、民主的に新体制を決めていきたい。公平性・透明性ある組織を確立したい」と決意を述べていた。
新体制をつくるにあたって次期会長候補はいるか、「再興する会」はどう関わるかを問われると、鶴木氏は「現在は改革一本に絞っており、次について語り合ったことはない。『再興する会』が新体制づくりを主導する考えもない」とした。次代を担う人材は「豊富にいる」という。「鶴木さんはその1人ではないか?」と聞かれると、「外れてます」と即答した。