これも「安室透現象」の余波?
その人気が社会現象化している「名探偵コナン」の登場キャラ・安室透をめぐって、ちょっとした騒ぎがあった。漫画家がツイッターで公開した、安室と女性キャラの2ショットに、一部ファンが「やきもち」のあまり、クレームを寄せたのである。
ファン仲間からも、これには苦言が――。
「買う気無くなります」「胸が痛くなる」
「14ページまるまる梓さんと安室さんがすごすポアロでの穏やかな時間、今週水曜の少年サンデー合併号をお楽しみに!」
2018年8月6日未明、4点の画像とともにこうツイートしたのは、漫画家の新井隆広さんだ。安室透を主人公とした「コナン」のスピンオフ、「ゼロの日常(ティータイム)」を、週刊少年サンデーに連載している。画像は、「ゼロの日常」執筆用のラフ画とみられる。
描かれていたのは、安室がアルバイトとして働く、喫茶店「ポアロ」での勤務風景だ。同僚の女性店員・榎本梓も一緒である。特に梓に対しては、原作者・青山さんから細かいチェックが入っている。
ところが、この画像に、一部のファンからこんなリプライ(返信)が飛んだのだ(大半はすでに削除)。
「正直梓さんを出されると買う気なくなります」
「ショック過ぎて言葉が出ません」
「梓さんのこと好きだけど、安室さんとの絡みは胸が痛くなる」
「あらぬ心配を...反省しております」
毛利小五郎に弟子入りする若い私立探偵「安室透」。「黒ずくめの組織」のメンバー「バーボン」。公安警察官「降谷零」。3つの顔(トリプルフェイス)を使い分ける謎多き人物としてコナンに登場した安室は、やがて作中屈指の人気キャラに。彼をフィーチャーした4月公開の劇場版アニメ「ゼロの執行人」は、「安室の女」と呼ばれる女性ファンの心をわしづかみにし、興行収入80億超えを果たす大ヒットとなった。
5月は安室を主人公とした番外編「ゼロの日常」も連載開始されるが、第1話が掲載された「サンデー」は全国的に品薄に。
新井さんのツイートも、こうした「安室の女」たちへの「サービス」として投稿されたものだったのだが――。女性キャラとの親密さを感じさせたことが、一部のファンにとっては「地雷」だったようだ。思わぬ反応を受けてか、新井さんは6日夕方、こうフォローした。
「沢山の貴重なご意見ありがとうございます!自分としてはゼロティ予告は青山先生に修正していただいた赤ペン画をなるべく余すところなく皆様に見ていただきたいと思い 始めたものなのですが 自分の載せかたがへたくそなせいであらぬ心配を読者の皆様におかけしたようで反省しております」
大多数のファンは作者にエール
一部ファンの「暴走」に、「安室の女」たちからは作者へのエールと、「過激派」への厳しい声が相次いだ。関係する投稿には、
「今回このような事を先生に言わせてしまったこと、1ファンとして申し訳ない気持ちで一杯です」
「何やらマナーがなってない人がリプにいて同じファンとして悲しいですがこれからも応援してます!」
「色々な言葉が届くかと思いますが、どうかお気になさらないで下さい。これからもただただ楽しみにしております」
「作品が好きゆえに一時の感情に流されてしまった方が今回多かっただけと思いますし、あまりお気になさらないでください」
などなど、累計300件以上のリプライが寄せられている。さらには、「突撃」したファンに「あなたの好みを公式に押し付けないでください」と直接伝える人まで。
こうした最中の8月8日、「ゼロの日常」単行本第1巻が発売された。未明にツイッターで公開されたCM動画は、半日で60万再生を超えている。単行本の「購入報告」ツイートも相次いでおり、「安室現象」はなおも衰えを見せない。