インターネット上で台風が近づくと盛り上がる「台風コロッケ」。台風が近づくと、ツイッターを中心にコロッケの写真や買い物報告がされるなど盛り上がりをみせる。
いまやテレビでも取り上げられるなど、広くリアルにも普及するこの文化。元をたどれば「2ちゃんねる」からツイッターに移行し、媒体を変えインスタグラムでも一般化しつつある。その変遷をたどった。
ツイッター最初のブーム直後
「台風コロッケ」は2001年、台風11号が上陸した際の実況掲示板「【台風11号パブーク】上陸秒読み実況スレッド 14号」で「念のため、コロッケを16個買ってきました。もう3個食べてしまいました」との書き込みがされ、スレッド内でコロッケを食べたい人が続出したことが始まり。以降、2ちゃんねるでは台風が接近する度に話題になり、コロッケを買いに走る「祭り」が繰り広げられた。
ツイッターでも、早くからその文化は輸入された。 話題として最初に上がったのは、07年7月13日から15日にかけてだ。台風4号が沖縄に接近。鹿児島県指宿市を通過し、和歌山県を経て伊豆諸島に抜けていった。
13日に、
「台風か... コロッケ買わなきゃ...」
「台風だからコロッケって何ですか」
の2つのツイートが今でも閲覧できる。
14日と15日には、
「やはり、台風の日はコロッケなんでしょうか?」
「台風直撃するならコロッケ買いだめしないとかなあ」
といった投稿もあった。ツイッターの日本版が利用できるようになったのが、08年からだ。まだ一般的ではなかったころから「台風コロッケ」の話題が登場していたことがわかる。また、2ちゃんねるの最初の書き込みから6年が経っていたからか、こんなつぶやきもあった。
「台風だからコロッケ買ってこよ(死語)」
それから11年が経った現在、大手スーパー「イオン」が台風に合わせて揚げるコロッケの量を増やし、店頭にポップまで用意。その様子を撮影した写真がツイッターで話題になる。死語どころか現実世界を巻き込んで更なる盛り上がりを見せている。