天皇の代替わりに伴って、国家公務員の懲戒処分の免除を政府が検討していると、毎日新聞が報じた。
公文書改ざんに関わった佐川宣寿前国税庁長官らも免除の可能性があるとされたが、菅義偉官房長官は「あり得ない」と会見で否定した。
佐川氏や前川氏の処分も対象に?
2019年に天皇陛下が退位され、皇太子さまが新天皇に即位されるに伴い、政府が軽微な罪に限って刑の恩赦を検討していると、18年8月1日に新聞などに報じられた。国の慶弔時に過去10回行われてきた慣例からだ。
そして、今度は、代替わりに伴って、国家公務員が過去に受けた懲戒処分の免除を行う検討を政府が始めたと、毎日新聞が7日、「複数の政府関係者」の話として、朝刊1面で報じた。
懲戒免除は、減給など軽微な処分に限って行われた1989年の昭和天皇の「大喪の礼」のときなど、過去3回ある。もし今回行われれば、佐川氏の減給処分のほか、天下りあっせん問題を受けた前川喜平前文科省事務次官の減給処分や、防衛省のイラク日報問題での処分なども対象に含まれる可能性があるという。
この報道が出ると、ツイッター上などでは、公務員の懲戒免除に疑問や批判の声が次々に上がった。
「身内の不祥事をもみ消すって」「どうなってんの。。。」「恩赦の政治利用は許されない」「前例自体おかしいと考えないのか」
などだ。
元議員「前例踏襲主義は卒業した方がいい」
毎日新聞の報道に対し、菅官房長官は、8月7日の会見で
「あり得ない。明快に否定する」
と述べ、天皇代替わりに伴う国家公務員の懲戒免除は行わない考えを明らかにした。
この会見を受け、ニュースのコメント欄などでは、
「そりゃそうでしょ。意味が分からないもん」「佐川氏の懲戒処分を恩赦したら荒れるわな」「適正な判断だと思う」
との声が出た。一方で、過去に3回懲戒免除が行われた前例があることから、「今は有り得ぬ、先の事はわからない」と疑念もくすぶっている。
ネット上では、恩赦による減刑などにも、
「なぜ罪人だけが報われるの?」
などと疑問の声が出ている。
元衆議院議員の早川忠孝弁護士は、自らのブログで7日、
「前例踏襲主義はいい加減に卒業した方がいい」
として、改元は本人の精進努力には関係がないことを理由に
「必ずしも恩赦を実施する必要はない」
と指摘した。