覇権狙った「UMD」だったけど...
PSPが投入されたのは2004年のことだ。同年発売のニンテンドーDSと競い合いつつ、2000年代後半の携帯ゲーム業界で存在感を発揮したものの、2011年には実質的な後継機「PS Vita」が発売、14年には出荷も終了し、急激に「過去のハード」となりつつある。上記のような「投げ売り」の光景は、時代の移り変わりを象徴する光景として、直撃世代の胸に突き刺さったようだ。
またPSPは、ゲーム機としてだけでなくマルチメディア端末としての側面もあり、UMDには次世代メディアとしての期待もかけられた。今回投稿された写真で確認できるのは、ゲームタイトルのUMDだけであったが、映画やコンサート映像が収録されたタイプや音楽アルバムが収録されたものも発売された。
IT総合情報ポータル「ITmedia」が2005年1月20日に公開した記事によると、UMDの用途を商用の映画と音楽に拡大する計画があった。事実上、PSPのみでしか使用できないメディアになってしまったが、他社が対応のメディアプレーヤーを製造できるように、映画版と音楽版へのアクセスを提供する予定も公にしていた。
また、当時のSCE社長兼グループCEOの久夛良木健(くたらぎ けん)さんは、UMDについて「あらゆる人に向けたオープンな標準として提案している」とした上で、こう話した。
「ゲームプロファイルはPSP固有のものとなるが、映画と音楽は皆に共通のアプリケーションになるはずだ」
このことについて思い出したユーザーからは、「最初は映画まで出してて覇権取る気満々だったUMD...」といった指摘もあった。