大手紙が「誤報」連発 「財務次官人事」と「新潟知事選」の関係

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2トップ不在という異常事態

   これをひっくり返したのが日経。10日朝刊の1面で「財務次官に浅川財務官」と、1面ハラ4段見出しで報じた。「方針を固めた」という強いトーンで、浅川氏の名鑑(数行の略歴)も載せたのは、「確定」という自信の表れだ。

   だが、さらに事態は動き、毎日が24日朝刊1面左下3段見出しで「財務次官に岡本氏」と打った。「調整に入った」と、やや腰が引けてはいたが、結果良ければOKというところか。

   こうした報道の混乱は、実際に水面下の調整が二転三転したからだ。次官以下の各省の幹部人事は内閣人事局が決定権を握っており、財務省も例外ではないが、今回は、安倍首相と麻生太郎財務相の関係などを考慮して基本的に麻生氏に調整を任せる形になった。その麻生氏の考えが揺れたといわれる。

   6月前半までは岡本氏の昇格見送り論が強かった。次官と国税庁長官という2トップ不在という異常事態に、麻生氏は5月18日の会見で、「2人空席という状態は普通の状態じゃありませんから、きちんと対応をしたい」と述べていた。通常なら通常国会閉幕後に行う人事を、会期中に前倒しで実施したいということだ。その場合、岡本氏昇格には、(1)改ざんが行われた時期に国会対応を担当する官房長を務めていて、6月4日に文書厳重注意の処分を受け、「ほとぼりを冷ます」必要がある、(2)組織が揺れ、なお落ち着ききれない上に、新たな問題が出て新次官にも火の粉が飛ぶ可能性も否定しきれない――などから、難しいとの判断があったとみられ、改ざん問題に関わりがない星野主税局長の起用で調整が始まった。しかし、星野氏は次官レースという点ではこれまで下馬評にのぼったこともなく、省内外に異論の声が上がったという。

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