ザ・ビートルズが1965年のアルバム「ラバー・ソウル」に収録した楽曲「イン・マイ・ライフ」の作曲者を統計学で分析した結果が発表された。イギリスの音楽情報サイト「NME.com」が取り上げている。
「ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500」でも23位に入るなど、ビートルズの楽曲の中でも人気のナンバーだが、その実際の作曲者については議論があった。研究の結果によると実際の作曲はジョン・レノンのものである可能性が高いとのこと。
2人がともに「自分が作った」
ビートルズの作品のほとんどは2人の共作を示す「レノン=マッカートニー」の表記だ。ジョン・レノンとポール・マッカートニーが10代から一緒に曲を制作していたため、2人の間での約束事として、このクレジットは曲の貢献度に関わらず使われていた。
生前ジョンは雑誌のインタビューなどに答え、楽曲の解説を行い、それぞれの曲がどのように作られたかに言及した。しかし、後にポールの発言で「イン・マイ・ライフ」と「エリナー・リグビー」の2曲で食い違いが発生していた。
「イン・マイ・ライフ」は作詞についてはジョンがやったと食い違いはない。ところがメロディは両者ともに大方を自分が作った記憶があると発言している。周知の通り、80年にジョンは射殺されてしまったために、真相がわからなくなっていた。
NMEによると、ハーバード大学で統計学の准教授を務めるマーク・グリックマン氏とダルハウジー大学で数学の教授を務めるジェイソン・ブラウン氏によって研究が行われた。
62年から66年にかけて書かれたザ・ビートルズの楽曲におけるコーラスの周波数やコード進行、楽譜などを分析。楽曲の作者を特定するものだ。研究の結論からすると、統計学的にみるとジョン・レノンの作品のほうが遥かに酷似している。また、ポールが作曲した可能性は0.18パーセントだという。
研究ではビートルズ楽曲に限って言えば、ポールの楽曲はラバー・ソウル収録の「ミッシェル」のように至るところでピッチが変化していると指摘。ジョンは「ヘルプ!」のようにピッチはほとんど変わっていないと指摘している。
「統計学を持ち出すまでもなく...」
この研究結果に対し、海外のファンからは、
「It's SCIENCE(編訳:これぞ科学だ)」
「I knew it!!(編訳:そう思っていたよ!)」
などの反応があがっていた。
一方、日本のビートルズファンには、複雑な感情をツイートする人もあった。
「データで出ました、って言われて納得できるか?なんだかゾッとする」
「統計学を持ち出すまでもなく、どう聴いたってあの曲はレノン節だと思うけど...」