「仮面をかぶってますね」
番組司会の加藤浩次さんは「当然、村田選手も周りの力があって金メダルを取れたと思っているでしょう。その選手がこういう言葉を使った」と、事の重大性を指摘。だが、山根会長は
「生意気だよ。あの選手はね、まだ社会人じゃない。現役ボクサーとして言うべき話じゃありません」
と、自身の責任について触れず、逆に村田選手を罵倒した。
ロンドン五輪の裏でも自身の奔走があったと主張した。1回戦後に国際ボクシング連盟(AIBA)から、頭から突進していく村田選手のスタイルが反則になると指摘されたが、「私が(過去に)たまたまAIBAの常務理事を8年間していた」ことから、五輪当時にも懇意にしている重役がおり、交渉。その結果「この形は反則を取らない」という判断を勝ち取り、「村田選手は準決勝、決勝までいった、といういきさつがあります」という。
怒りの矛先は16年リオ五輪代表の成松大介選手にも及んだ。告発状で、15年に日本スポーツ振興センター(JSC)から交付された助成金240万円を、他2選手と3等分するよう山根会長から命じられたとされるその人だ。山根会長はもともと3選手を助成金対象にしたかったが、「1人しか受け取れない」ことから、将来性を見込んで最も年下の成松選手を選んだという。ところが番組では、
「当時の成松選手はね、あの顔にだまされましたよ。おとなしい顔してるけどね」
とその評価を一転。「だまされた」とはどういうことかと突っ込まれると、
「顔ですよ。おとなしい顔して澄ましとるけどね、やっとることはね、仮面をかぶってますね」
と答えた。
これだけ罵倒しながらも「僕はね、選手の批判はしません」と続け、
「当時、本人から喜んで3等分しますからと言った人間(成松選手)がですよ、それを山根明がこのように指示したとか、自分はやりたくなかったけど怖いからやったとか、そんな怖い話は一切してません」
と自身が不正を命令したことを否定した。