元WBC王者・木村悠、「奈良判定」の前は「日大判定」 アマボクシングのいびつな実態暴露

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「手っ取り早いのは、外部の人材を登用すること」

   アマチュアボクシングという競技自体の存続にも、危機感を抱いている。

「国体ではボクシングが隔年競技になりました。五輪からも外す議論があります。東京五輪を控える日本で、今回の告発から問題が大きくなると、競技の規模がさらに縮小していくおそれもあります」

   国民体育大会(国体)では、ボクシングは23年大会以降「2年に一度の実施」に格下げとなった。日本スポーツ協会(JSPO)は各競技団体を4年ごとに評価しているが、そこでボクシングは08年に23位、12年に32位、直近の16年には41位と低下の一途をたどっていたのだ。この格下げの件は告発状でも指摘があり、「(連盟は)事態を打開するための具体的な対策を全く講じていない」「競技自体の衰退を招きかねない」と糾弾している。

   また国際オリンピック委員会(IOC)は、20年東京五輪の実施競技からボクシングを除外することを継続審議している。こちらは国際ボクシング協会(AIBA)にガバナンスや審判の公平性などの疑惑が浮上しているためだ。

   揺れるアマチュアボクシング界、その改革には何が必要か。木村氏は「手っ取り早いのは、外部の人材を登用することです」と話す。

「JOCから人材を派遣できればいいと考えます。たとえば日本のバスケットボール界は、トップリーグが2つに分かれ、国際団体(FIBA)からも改善要請があった中、サッカーのJリーグ発足に大きく関わった川淵三郎氏を招聘した結果、新たにBリーグを創設して統一に至りました。カリスマ性がある人物、組織を本当に良くしようという気概のある人物が入る必要があるでしょう。

会社もそうですよね。社外取締役や社外監査役という、外部の公平・公正な『目』を入れる。アマチュアボクシング界も同じようなことができればと思います。組織を変えるには、より大きな別の組織から人を呼びたい。するとJOCからの人材が候補になるでしょう」
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