「下駄で痛くならない」自分で出来る3つの方法 老舗履物店のツイートが反響

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   花火大会などへ「浴衣に下駄」で出かけたものの、「慣れないの履いて超痛い」と、花(鼻)緒と足や足指(趾)の股がすれて困っている人は今年も多いようだ。

   そんな中、江戸時代創業の老舗履物店当主が「自分で&その場で出来る花緒ズレ対策」3点を写真解説付きでツイッターで発信したところ、わずか数日でリツイートが1万3000件を超える注目を集めている。テーマとしては、例年恒例の「お悩み相談」だが、今回の「回答」が大きな注目を集めたポイントは、「自分で&その場で出来る」という手軽さと、写真付きという分かり易さにあるようだ。

  • 写真付きで「花緒ズレ」対策を紹介(画像は、丸屋履物店公式ツイッターより)
    写真付きで「花緒ズレ」対策を紹介(画像は、丸屋履物店公式ツイッターより)
  • 写真付きで「花緒ズレ」対策を紹介(画像は、丸屋履物店公式ツイッターより)

「慣れない下駄履いたから、めちゃ足痛い」

   夏になると、花火大会などへ浴衣姿で出かけようと、普段は履きなれない下駄を履いたものの、「慣れない下駄履いたから、めちゃ足痛い」「(花火行きを報告したあと)下駄超痛い」(いずれも2018年7月末のツイッター投稿)と、頭を悩ます人が続出している。

   毎夏の定番とも言える「お悩み」テーマで、ネットで検索すれば、様々な「回答・体験談」が出てくる。前壺(足指ではさむ前緒部分)に「(ろうそくの)ろう」を塗る、足指間にベビーパウダーをつけておく、化粧で使う綿を前壺に巻きつける、などなどの方法だ。

「前壺と足指の股の間に少しスペースを作るよう、母趾(親指)と第2趾(人差し指)ではさむように履く」

という正攻法も紹介される事が多いが、頭では分かっていても、慣れないと実行するのはなかなか難しいようだ。また、専門店ですげてもらう(自身の足に合わせて花緒を調整してもらう)ことを勧める記載も目立つが、敷居が高いと感じてか、必ずしも浸透はしていないようだ。

「いずれも応急措置的なことですが、かなり改善されると思います」

   2018年7月28日、東京の夏の風物詩、隅田川花火大会が台風のため29日に順延されることが決まった。その28日、江戸時代末の慶応元年(1865年)創業の老舗、丸屋履物店(東京・品川)の公式ツイッターは、「自分で&その場で出来る!花緒ズレ対策」をツイッターで発信した。

「下駄屋までいかずとも、下駄を快適に履こう!という手段のご紹介」
「いずれも応急措置的なことですが、かなり改善されると思います」

として、文字や矢印マーク付きの写真を4枚使い、対策法を3点に絞って説明している。

(1:人差し指内側が前壺に当たって痛い場合)「中心線」をずらす。下駄の中央線に対し、足の中心線を重ねるように真っ直ぐに履くのではなく、指先が外側(右足なら右側)になるよう、足の中心線を少しの角度(10~15度程度か)斜めにして履く。写真には、下駄と足の中心線がそれぞれ、破線で表示されている。こうすることで、人差し指内側にスペースができ、花緒ズレ防止につながる。また、よく知られた正攻法である、前壺と足指の股との間に「隙間を残す」ポイントにも触れている。

(2:花緒と足の小指付け根付近がすれて痛い場合)花緒を横からつぶすように揉む。横からだけでなく、全体的に揉むのも「二重丸」としている。

(3:同上)花緒の踵側にある左右の付け根部分で、それぞれ上部表面が外側に(左側の花緒なら左側に)向くよう「少し捻る」。

   このツイートは、花火大会シーズンということもあってか注目を集め、2日後の30日夕にはリツイートが1万3000件を超え、「いいね」は2万9000件以上となった。

今回のツイートのために撮影・作成

   丸屋履物店ツイッターの「中の人」である、6代目の榎本英臣社長(32)にJ-CASTニュース編集部が30日に話を聞くと、「ツイッター上の反響の大きさに驚いた」とのことだった。

   実は、対策(1)に使った写真は、店の公式サイトの「Q&A」コーナーで、「下駄の履き方」解説欄に使っているもの。(2)と(3)の写真は、今回のツイートのために撮影・作成した。比較的よく知られた対策も含まれているが、写真付きで説明も端的で分かり易い、と注目を集めたようだ。

   ツイッターは数年前から使っているが、今回、初めてこうした形で「自分で&その場で出来る」方法を発信した理由については、浴衣とセットになっている下駄や、出来合いのものを買う人も多い中、「足に合わず痛くて下駄が嫌いになる」という流れを少しでも食い止め、下駄に触れる機会を増やしほしいとの思いからだ、と説明した。

   「専門店による情報発信」と聞くと、「前壺と足指の股との間に『隙間を残す』」という正攻法の紹介や、「専門店ですげる」ことを勧める、といったイメージがある。実際、同店公式サイトでも、「花緒ズレ防止法」として、「花緒を足へ合わせてもらう調節が必要なのはもちろんのこと(以下略)」と、すげることを勧めている。

   しかし、「専門店へ行ってすげる」ことに行き着く前に、既存の下駄を履いて痛くなって、結局、下駄を履かなくなる人が多いのを実感しており、今回のような情報発信をすることで、下駄を履く人が多くなって将来的に「すげてもらった下駄」に興味を持つ人が増えることも期待している。

   本来、既製品の下駄を履くことは、「自分の足のサイズは違うのに、平均サイズで作った靴を無理やり履くようなもので、違和感があって当たり前」なのだという。

   同店では、すげてもらう「普段使い」の下駄は5000~6000円から用意しており、高いものになると5、6万円のものもあるそうだ。

   8月に入っても花火大会が続く。東京では、江戸川区花火大会(4日)や神宮外苑花火大会(11日、明治神宮外苑)、大阪では、なにわ淀川花火大会(4日、大阪市)などが予定されている。

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