英語には対応する言葉がない?
「Googleトレンド」によると、英語圏では2012年ごろから「Tsundoku」というキーワードの検索回数が、じわじわ増えている。ウィキペディアでは2014年に英語版で項目が立てられ、現在ではフランス語、スペイン語、アラビア語など8言語版に掲載中だ。アメリカのオンライン俗語辞書「アーバン・ディクショナリー」にも収録されるなど、着実に市民権を得つつある。
それにしても、積読=Tsundokuはなぜ、海外に広まったのだろうか。
「オックスフォード英語辞典」の公式ブログ(2015年)には、こんな記載がある。
「Tsundokuは日本語で、直接のシノニム(同意語)を英語に持たない」
要するに「書物を読まずに積んでおく」という状態を指す、直接的な表現が、英語などにはないのだ。「津波(Tsunami)」や「過労死(Karoshi)」など、過去に英語に取り入れられた日本語も、こうしたパターンである。
もう一つ大きいのは、誰もが「あるある」とうなずいてしまう事象だからだろう。今回のBBC記事への反響をみると、海外ユーザーからのこんな声が相次いでいる。
「まさしく自分のことだ(涙)」
「悲しいかな、私もTsundokuです」
「この現象って名前あったのか!」
愛書家の悩みは、洋の東西を問わないようだ。