作家・乙武洋匡さん(42)が、LGBTなど性的少数者は「生産性がない」とした自民党の杉田水脈・衆院議員の主張に警鐘を鳴らした。
2018年7月29日に放送された「ワイドナショー」(フジテレビ系)に出演した乙武さんは「次に排除されるのは『私』かもしれない、というのは決して僕自身のことだけではない」と述べたのだ。
乙武「この『私』は僕自身ということじゃなく、誰がなるかわからないよ」
杉田議員の問題の主張は、7月18日発売の「新潮45」(新潮社)に「『LGBT』支援の度が過ぎる」と題する寄稿に記載されていた。LGBTのカップルのために税金を使うことを疑問視した上で、「彼ら彼女らは子供を作らない、つまり『生産性』がないのです」というもの。
乙武さんは番組で意見を求められると
「この件については怒り心頭。なるべく理性を保って話そうと思う」
と怒りを抱えながらも自らにそう言い聞かせた。
政治家の仕事は、限りある国家・行政の予算をどの分野にどれだけ使うのかを決めていくものであると同時に、生きる上で苦しさ、生きづらさを抱えている人たちの声に耳を傾けて解消していこうとする活動だ、と説明する乙武さん。
そのうえで杉田議員の主張に、
「苦しさ、生きづらさを抱えている人たちに耳を傾けて解消していこうと活動する姿勢が必要なのに、それを生きづらいと声を上げている人達に対してあなたたちの苦しさなんて大したことないから税金使わないわよ、てよく言えるな、と」
と憤った。
乙武さんは7月24日、杉田議員の発言について、
「国家にとってどれだけ有益かという観点から優劣がつけられる社会になれば、次に排除されるのは『私』かもしれない」
とツイート。
番組で乙武さんは上記のツイートについて、
「この私は僕自身ということじゃなく、誰がなるかわからないよ、という(意味)」
と付け加える。
LGBT・障害者に限らず、今若くて健康的な人も、例えば仕事でミスが多くて生産性がないから国には不要な人材といわれかねない、と掻い摘んで説明した。