熊本県のマスコットキャラクター「くまモン」が2018年7月26日、J-CAST編集部に「襲来」した。19年に熊本で開催される女子ハンドボール世界選手権などをPRするためだ。
くまモンは、J-CASTのマスコットキャラクター「カス丸」とハンドボール(を使用したキャッチボール)を実演。ところがその時、悲劇が起きた。
「ゴッ」と鈍い音が...
くまモンは7月26日の昼下がり、J-CAST社内の受付に現れた。両手でポスターを掲げ、熊本県で19年11、12月に開催する「2019女子ハンドボール世界選手権大会」の公式ユニホームに着替え始めた。何とPRがてら、社内でハンドボールの腕前を披露するというのだ。
くまモンと勝負するとなれば、同じマスコットキャラのカス丸しかいない。
ゆるキャラ界トップクラスの人気者と、「ゆるキャラグランプリ2016」963位の編集者犬。「世紀の対決」がここに実現した。
まずは、カス丸のターン。大きく後ろに振りかぶった右腕で、くまモンめがけて力いっぱい投げた。くるくると斜めに回転したボールは、くまモンの顔面めがけて一直線に...
「ゴッ」
そんな鈍い音とともに、くまモンがパタリと倒れ込む。まさかの一発ノックアウトだ。
社員からも思わず「おおおーーー!!!」と驚きと心配の声が上がった。
くまモンも、左足でぐいっと踏み込み、勢いよく右腕を振り下ろしていたが、指先から離した瞬間、ボールは球威を失い、カス丸まで届かず。くまモンは地団駄を踏んで悔しがっていた。
愛称は「おりひめジャパン」
くまモンはその後、J-CASTニュース編集部のインタビューに応じた。
それによると、熊本県では19年11月30日~12月15日、県内5会場で女子ハンドボール世界選手権大会を開催。世界各地から24チームが熊本に集結する。
女子日本代表の愛称は、「おりひめジャパン」。体格の大きな選手をそろえるヨーロッパの強豪国に俊敏性で勝負を挑む。
「くまモンはあまり上手くなかったですね」。熊本県東京事務所のくまもとセールス課参事・吉村了介さんはそう笑いつつ、
「熊本市は2019年の大会までに、熊本城の天守閣の外観を復旧させる目標を掲げています。全世界からいらっしゃるので、おもてなししたい」
と話していた。
熊本には「世界遺産」がある
続いて、くまモンは何やら教会らしき建物の写真を取りだした。
「先日、世界文化遺産に登録されました熊本県天草の﨑津集落をPRしに参りました」と吉村さん。
熊本県天草地方の﨑津集落は7月、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産12の1つとして、世界文化遺産に登録。
江戸幕府が17世紀初頭、全国にキリスト教禁教令を発布して以降、日本各地のキリシタン集落は途絶えていたが、潜伏キリシタンは既存の社会や宗教と共生しつつ、自らの信仰を継続。関連遺産は、その歴史を伝える貴重な証拠だ。
「﨑津集落は小さな漁村の集落です。貝殻で作ったメダイ(メダル)や、アワビの貝殻の内側に浮かび上がる模様を聖母マリア像に見立てて信仰するなど、漁村特有の信仰形態が根付いていました」(吉村さん)
こうした時期を経て、浦上の潜伏キリシタンが1865年、大浦天主堂で宣教師に信仰を告白(「信徒発見」という)。カトリックに復帰した集落では以後、教会の建設が進んだ。
「(写真を見せて)﨑津教会は1934年、禁教期に踏み絵が行われた庄屋跡に建てられました。中が畳敷きなのが特徴です」
イルカにほぼ毎日「会える」まち
「熊本県で夏にオススメの観光地、グルメを教えて!」。編集部員がそうたずねると、くまモンは、同行するお姉さんに何かを耳打ちした。
するとお姉さん、
「いっぱいあるけど、夏は特に猛暑の中で涼しめる阿蘇がオススメだモン。草千里という大草原が広がっていて、ホーストレッキングができるし、阿蘇中岳の火口見学も再開されたモン。食べ物も選びきれないけど、南関そうめんが涼を感じられてオススメだモン、と言っています」
とのこと。なるほど、くまモンの代わりに答えてくれるみたい。
天草地方の観光スポットをたずねると、くまモンはなぜか上下に連続ジャンプ。一体、これは...!?
お姉さんに聞くと、「体型が違いすぎて分かりにくいかもしれないんですけど、実はイルカなんですね」 そういうことか!(笑)
「天草では野生のイルカにほぼ毎日、98%くらいの確率で会えるんです。すごく近くで見えます。天草は夕日もすごくきれいだから、ぜひ見てはいよ~、と言っています」
最後にくまモンが一言。
「おいしいものがいっぱいあったり、自然を楽しめるアクティビティ、野生のイルカウォッチング、世界遺産の﨑津集落があったりと、熊本は見所が満載だモン! 2019年の女子ハンドボール世界選手権大会など、スポーツも楽しめるので、ぜひ皆様、熊本に遊びに来てはいよ~~~」