熊本には「世界遺産」がある
続いて、くまモンは何やら教会らしき建物の写真を取りだした。
「先日、世界文化遺産に登録されました熊本県天草の﨑津集落をPRしに参りました」と吉村さん。
熊本県天草地方の﨑津集落は7月、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産12の1つとして、世界文化遺産に登録。
江戸幕府が17世紀初頭、全国にキリスト教禁教令を発布して以降、日本各地のキリシタン集落は途絶えていたが、潜伏キリシタンは既存の社会や宗教と共生しつつ、自らの信仰を継続。関連遺産は、その歴史を伝える貴重な証拠だ。
「﨑津集落は小さな漁村の集落です。貝殻で作ったメダイ(メダル)や、アワビの貝殻の内側に浮かび上がる模様を聖母マリア像に見立てて信仰するなど、漁村特有の信仰形態が根付いていました」(吉村さん)
こうした時期を経て、浦上の潜伏キリシタンが1865年、大浦天主堂で宣教師に信仰を告白(「信徒発見」という)。カトリックに復帰した集落では以後、教会の建設が進んだ。
「(写真を見せて)﨑津教会は1934年、禁教期に踏み絵が行われた庄屋跡に建てられました。中が畳敷きなのが特徴です」