ポルシェやBMWがライバルの価格帯
STI取締役で開発本部長の森宏志氏は
「STI30周年を記念し、モータースポーツに参戦するエンジニアたちが究極の『意のままの走り』に挑んだ。加速、減速、コーナリング性能を限界まで高めることで、『走る』『曲がる』『止まる』という運動性能を純粋に追い求めた」
という。RA-Rはスバルファンはもちろん、運転を楽しむスポーツカー愛好者にとっては、たまらないクルマなのだ。
スバルにとっては、同じく2リッターエンジンのAWD(全輪駆動=4WD)スポーツセダンだった三菱ランサーエボリューション(ランエボ)が生産終了となったことも追い風になっているだろう。500万円から700万円のスポーツカーといえば、ポルシェやBMWなどが価格的にもライバルとなる。スバルがこの価格帯でスポーツセダンを限定発売し、少なくとも3回連続で即日完売となった事実は、スバルの技術力、ブランド力の高さを証明したことになる。
日本のメーカーが本格的なスポーツカーを限定発売し、即日完売となったケースは、ホンダが2015年10月に750台限定で発売した「シビック タイプR」などの例がある。マツダも2014年に限定発売したロードスターの特別仕様車が数分で完売した。両社とも専用ホームページで受注を開始したところ、熱烈なファンから申し込みが殺到したという。
いずれもメーカーがこだわりを持って本格的なスポーツカーを開発すれば、大々的な宣伝などしなくても高額車が完売するというビジネスモデルだ。ニッチ市場とはいえ、メーカーの総合的なブランド力が問われていると言えるだろう。