安倍晋三首相が2018年9月に行われる自民党総裁選での「圧倒的勝利」に向けた動きを活発化させている。党員票のカギになる地方議員との会合を繰り返しているのに加えて、無派閥議員との会合にも積極的だ。
首相動静に載らない「極秘会合」も多い。西日本豪雨の中で開催された「赤坂自民亭」への批判が大きかったことから、警戒感を強めているようだ。
県会議員を首相公邸に招いてランチミーティング
12年の総裁選では、党員票300票と国会議員票198票の計498票で争われたが、その後の総裁公選規程の改正で、今回の総裁選は党員票405票と国会議員票405票の計810票で争われることになった。安倍氏からすれば、12年は党員票では石破茂氏に敗れたという苦い経験があり、票の掘り起こしに躍起だ。
首相動静から確認できるだけでも、18年6月13日には宮城県、7月5日に群馬県、7月9日に静岡県の自民党県議を首相公邸に招いてランチミーティングをしている。
国会議員票は、岸田文雄総務会長が不出馬を表明して安倍氏を支持することにしたため、すでに安倍氏支持を表明している細田、麻生、二階の3派と合わせると、すでに6割程度を固めた計算だ。そんな中でも安倍氏は「無派閥」議員への攻勢を強めている。
問題視された7月5日の「赤坂自民亭」には、無派閥議員も数多く出席。この場に安倍氏が姿を見せることで、存在感をアピールする狙いもあったともされる。
一方、動静などにも載らない「極秘」の会合も目立つ。
7月24日、無派閥議員を乗せた車が続々と首相公邸入りする様子を日本テレビが報じた。総裁選での支持を取り付ける狙いがあるとみられるが、この会合が開かれたのは7月6日。豪雨がさらに激しくなる中での会合で、批判を避けるために極秘での開催になった可能性もある。