沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設計画で、翁長雄志(おなが・たけし)沖縄県知事は2018年7月27日、県庁で会見を開き、移設に伴う埋め立て承認の撤回に向け、手続きを始めるよう指示したと発表した。
政府は、8月17日にも埋め立て土砂を投入する構えだ。
撤回理由として、埋め立て予定海域の一部で当初想定されていなかった軟弱な地盤の存在が確認されたのに防衛省沖縄防衛局が協議に応じていない、希少なサンゴ類などの環境保全策が不十分なまま工事を強行していることを挙げた。
一方、菅義偉官房長官は会見で、16年12月20日の最高裁判決を引き合いに出し、「国と沖縄県の双方が互いに協力し、誠実に対応し、辺野古沿岸域の埋め立て工事を進めていくことが求められている」としつつも、法的な措置で対抗することも視野に入れているとの姿勢を示した。