「この世界の片隅に」新作12月公開 呉線復旧に合わせる?

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   西日本で豪雨による土砂災害の復興作業が続く中、明るいニュースが届いた。広島・呉が舞台の劇場アニメ「この世界の片隅に」の新規場面約30分を付け足した別バージョン「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」が、2018年12月に公開されることが明らかになった。

   映画の公開はくしくもJR西日本・呉線の復旧時期に重なるかたちとなったが、同映画の片渕須直監督は「呉線復旧のみなさんに負けないようにします」とツイッターで話している。

  • 「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」は12月公開(画像はティザーサイトのスクリーンショット)
    「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」は12月公開(画像はティザーサイトのスクリーンショット)
  • 「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」は12月公開(画像はティザーサイトのスクリーンショット)

呉線復旧は2019年1月中までかかる見通し

   この世界の片隅には2016年11月に公開された劇場アニメで、第40回日本アカデミー賞・最優秀アニメーション作品賞を受賞した。観客動員数は200万人を突破しており、いまなお一部の映画館で上映が続いているロングヒット作だ。

   同作品は片渕監督をはじめとする製作スタッフが4年を費やした綿密な下調べによる、広島・呉の美しい風景描写が評判だ。ネット上では、地元民からもその熱量とクオリティの高さに称賛の声が上がっている。

   その広島県は、現在7月5日からの記録的な豪雨で受けた被害の復興作業が続いている。JR西日本をはじめ、交通機関にも大きな影響が出ている。

   片渕監督はツイッターで「この公開日って偶然なのかわざと呉線復旧に合わせてくれたのか気になる...」という一般ユーザーからの質問に

「ずっと前から考えていた日付でした。呉線復旧のみなさんに負けないようにします」

と答えている。

   JR西日本の公式ウェブサイト(26日9時現在)によると、中国エリアの在来線はおおむね11月までに再開予定だ。だが、山陽本線の支線である呉線は広島県内の中でも「運転再開まで長期にわたる区間」とされており、2019年1月中までかかる見通しだ。ツイッター上では「呉線復旧間に合えばうれしい」といった声が上がっている。

片渕監督「自分たちに出来るのはなんなのか」

   7月26日にオープンした「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」のティザーサイトには、西日本全域における大雨の被災者に向けた片渕監督のメッセージが掲載されている。

「私たちの映画の舞台となった呉、広島をはじめ、西日本各地のたくさんの方々が、大雨の被害によりたいへんな目に遭われています。大勢の方々が亡くなり、行方不明となり、家屋を失われてしまいました。そしてたくさんの方々が今も困難の中におられます。心よりお見舞い申し上げます(中略)今この瞬間も復旧と回復に力を尽くされているたくさんの方々に敬意を表しつつ、私たちも、自分たちに出来るのはなんなのか、常に考え続けたいと思っています」(7月12日付)

   2016年の「この世界の片隅に」は、8月3日~16日まで、呉市にある映画館「呉ポポロ」で再上映が決まっている。8月6日には、片渕監督と主演ののんさんの舞台挨拶も実施される予定だ。

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