高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ
東京五輪2020「酷暑」リスク  前回なみに秋開催ができない理由

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100年で2度上昇のハイペース

   それにしても、東京は最近の五輪開催都市の中でも屈指の夏の暑さである。

   気象庁のデータで東京の7月最高気温の推移を1875年から見ると、冷夏や暑夏があり年ごとの変動は大きいが、傾向的に見ると、年々0.02度ずつ上昇していることがわかる。これは100年で2度上昇というハイペースだ。

   それで2020年東京五輪時における最高気温を推測すると、32.1~38.4度と、場合によっては「酷暑」となる。選手の対策も大変だろう。マラソンなどでは、事前の高地トレーニングは暑さ対策の観点から問題であることは既に指摘されている。

   観客も暑さ対策は容易でない。新国立競技場には、空調設備がないとされているが、商業上の理由で夏場開催なのだから、それに見合うだけの暑さ対策が必須だろう。

   「酷暑」で選手・観客がダウンにならないことを望みたい。


++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣参事官、現「政策工房」会長
1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわ ゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。著書に 「さらば財務省!」(講談社)、「『年金問題』は嘘ばかり」(PHP新書)、「大手新聞・テレビが報道できない『官僚』の真実」(SB新書)など。


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