高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ
東京五輪2020「酷暑」リスク  前回なみに秋開催ができない理由

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   連日、猛烈な暑さが続いている。今日2018年7月26日は最高気温が30度と予想されており、随分と涼しく感じられる。23日には埼玉県熊谷市で、観測史上最高の41.1度を記録した。東京都青梅市でも40.8度となり、東京都内では観測史上初めての40度超えとなった。

   最高気温25度以上の日を夏日、最高気温30度以上の日を真夏日、最高気温35度以上の日を猛暑日というが、23日のように最高気温40度以上の日はなんと言ったらいいのだろうか。「酷暑」日とでもいうのだろうか。

  • 40度を超える中で競技を行うのか
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五輪は夏場を選ばざるえない

   誰でも、2020年の東京オリンピック・パラリンピック(東京五輪)がはたしてつつがなく行えるのかが気になるところだ。

   筆者のような1964年東京五輪を知っているものからみれば、なぜ秋にやらないのかという素朴な疑問がでてくるのはやむを得ない。1964年の東京五輪は、1964年10月10日に開会し10月24日に閉会している。この開会式の日の10月10日が、祝日の「体育の日」になった。2000年から、10月10日に固定ではなく、日曜日と連休になるように10月の第2月曜日になっている。

   これはもっともな疑問であるが、2020年東京五輪は7月24日に開会し8月9日に閉会するという日程は、今となってはそう簡単に変えられない。というのは、開催時期は立候補都市の招致の段階で決まっていたからだ。

   国際オリンピック委員会(IOC)は、7月15日~8月31日までの間に設定するという、招致段階で決定しており、東京がその前提で立候補したからだ。

   では、なぜIOCがなぜ夏場を選んだかと言えば、商業上の理由つまりテレビ放映の収入の確保のためだ。五輪の収入は、①TV放映権料金、②スポンサー収入、③入場料収入、④記念グッズの販売収入から成り、この中で①TV放映権料金は5割程度を占め、最重要だ。

   五輪の商業化がスタートした1984年のロス五輪以降、ほとんど夏場に日程が設定されているが、夏場は欧米のメジャースポーツシーズンと重ならないからだ。例えば、アメリカのフットボールは9月第1週から、バスケットボールは10月の最終週から始まる。ヨーロッパのサッカーでは、主要リーグは8月中旬から始まる。

   逆にいえば、夏場はスポーツに向いていないから、主要スポーツが夏場を避けているから、五輪は夏場を選ばざるを得ないという皮肉なわけだ。スポーツの人気度という観点から見れば、五輪競技はメジャーとはいえず、4年に一回だから希少性があるものの、欧米のメジャーなスポーツを押しのけるほどではないともいえる。

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