サッカーのロシア・ワールドカップ(W杯)で全4戦にフル出場した日本代表DF長友佑都(31)が、東京五輪に「出たいですよ」と意欲を見せた。
W杯はベスト16の壁を破れなかったが、「日本サッカーに足りないこと」があったと具体的にキーワードも述べた。
「僕を必要としてくださるのであれば貢献したい」
長友は2018年7月24日、不動産情報事業を手がけるLIFULL(本社・東京都千代田区)の「アンバサダー就任発表会」に出席。ともに「世界一を目指す」姿勢が重なるという。まさにW杯で世界と戦ってきたばかりの長友は、すでに4年後のカタールW杯を目指している。
だがその前に、東京五輪という大きな国際大会がある。自身の考えを聞かれた長友は、
「僕を呼んでくださるなら、東京五輪出たいですよ。出たい気持ちはあります。とにかく自分自身、一年一年良いコンディションでトレーニングを積み重ねて、その先に僕を必要としてくださるのであれば貢献したいです」
と出場意欲を明言した。
ロシアW杯には西野朗監督体制のもと、東京五輪の代表監督・森保一氏がコーチとして帯同し、打ち上げでは「オーバーエイジに立候補してくれる選手がいてありがたい」との言葉もあったという。五輪男子サッカーは23歳以下でチームが構成されるが、それ以上の年齢の選手も「オーバーエイジ」枠で3人まで選出できる。
その森保氏は、26日にも決定される次期A代表監督の最有力候補としても取り沙汰されている。W杯をともにした長友はその人柄について、
「とにかく優しい方。こんなに心が温かい人はいない。僕らが悩んでいる時とか、勝てなくて苦しんでいる時とか、相談に乗ってくださったり、人の心を明るくしたり和ませたりもしてくれる、大きな力を持った人です」
とし、絶大な信頼を寄せていた。
「僕はキャプテンよりも...」
東京五輪の注目種目に「陸上の100メートル」をあげ、その理由について
「W杯で日本サッカーに足りないことは『走力』だと感じたので、本当に走りのスペシャリストが競い合う競技に注目したい」
と語った長友。10年南アフリカW杯に続き、自身2度目のベスト16敗退を経験した。今回敗れたベルギー戦では、後半に2点先制したが追いつかれ、終了間際に複数選手が絡む高速カウンターで試合をひっくり返された。
4年後までに、そうした世界との差をいかに埋めていくかにかかっているが、8年間キャプテンだったMF長谷部誠(34)が代表引退。次期キャプテンが誰なのかも注目が集まる。31歳のベテラン長友も候補の1人になり得るが、「僕はキャプテンよりも、自分にできることをしてサポートする方が向いていると思いますよ」と苦笑い。その上で、「長谷部さんの後のキャプテンはめちゃくちゃ難しい。でも、今の代表は誰がなっても日本を背負えるし、仲間を思ってプレーできる選手がそろっているので、誰がキャプテンになっても大丈夫だと思います」と、チームメイトたちに太鼓判を押していた。