対立候補の名前を挙げて「腹を切って死ぬべきである」などと罵倒する独特のスタイルで知られていた「唯一神・又吉イエス」こと、又吉光雄(またよし・みつお)さんが2018年7月20日、左腎がんのため死去した。74歳だった。
又吉さんが代表を務めていた政治団体、世界経済共同体のウェブサイトで18年7月23日に発表された。又吉さんは6月30日、健康状態を理由に政治活動を断念し、ウェブサイトも10月末に閉鎖することを明らかにしていた。
最後の選挙で「腹を切って死ぬべき」が消えた理由は...?
又吉さんは沖縄県出身。1997年の宜野湾市長選挙や県知事選に出馬したがいずれも落選し、「マニフェスト選挙」として知られた03年の衆院選から国政選挙に訴えの場を移した。一貫して「共同の所有・生産・消費性経済」を訴え、「金が第一・金が全て」の風潮を批判してきた。
最後の選挙となったのが17年10月の衆院選で、衆院選としては6回目、国・地方合わせ通算17回目の出馬だった。
又吉氏を有名にしたのが、黄色地に黒の小さい文字で大量に自らの主張が書き込まれたポスター。対立候補者を名指ししながら
「責任をとって、日本人であるなら腹を切って死ぬべきである」
などと罵倒するスタイルがネット上で話題になったが、17年10月の衆院選ポスターでは
「腹を切って死ぬべき」の表現が姿を消し、対立候補ではなく対立政党を「嘘政治・嘘政党である」と罵倒するにとどまっていた。又吉さんは当時、J-CASTニュースの取材で、急な解散で準備に追われたことを明かしながら、
「早々とポスターを『出来ていますか?どんな状況ですか?』ということで印刷会社がやって来ました。ところが、誰が立候補するか分からない。それじゃあ、去年(編注:16年)の参院選までの対立候補に対する責任追及はできないですよ!」
などとして、対立候補者の確定が遅れたためポスターに盛り込めなかったことを明らかにしていた。衆院選後の見通しについても、
「責任追及は大切。どうやっていくかは、様子を見て、です」
と話し、政治活動の継続に意欲を見せていた。