電子機器メーカーのコニカミノルタが、自社製品の公式サイトに掲載したコラムに「誤解を招きかねない表現があった」として、記事を削除していたことが分かった。J-CASTニュースの2018年7月23日の取材に、同社広報が明かした。
削除されたのは、同社の体臭測定デバイス「Kunkun body(クンクンボディ)」公式サイトに17年12月に掲載されたコラム。学校へのエアコン導入を求める保護者を批判するような記述があるなどとして、インターネット上で物議を醸していた。
「何でこんな余計なこと書いたんだろ」
問題視されたコラムのタイトルは「あなたは大丈夫!?冷房が汗腺を退化させる」。記事では、保護者による「冷房の使い過ぎ」で、汗腺が十分に発達しない子供が増えていると指摘。その上で、
「(子供が)成長して外に出るようになっても、体温を下げるために必要なだけの汗を十分にかくことができないのです」
とも書いていた。
コラムの後段では、「そんな現状にもかかわらず、保護者からは、『エアコンのない教室では勉強に集中できないから教室すべてにエアコンを設置してほしい』という要望が学校に寄せられているそうです」。そして、
「しかし、子どもたちが空調の効いた環境でしか生活できないようになったのは、親である保護者が、子どもが小さなうちからエアコン漬けにし、汗をかく機会を奪ってきたからなのです」
と皮肉気に記事を結んでいた。
こうしたコラムが、公開から半年以上が経った18年7月下旬に突如として物議を醸すことになった。
きっかけは、あるネットユーザーがコラムを紹介したことだ。猛暑により学校教育の現場でも熱中症の事故が続発している状況もあり、記事後半の記述をめぐってツイッターやネット掲示板に、
「親が悪いから親の金でつけろってことか?」
「最後の学校エアコンの下りが完全に蛇足 何でこんな余計なこと書いたんだろ」
「原因がその通りならエアコン設置は急務だろう」
などと反感を抱くユーザーが続出したのだ。
「誤解を招きかねない表現があった」
こうしたネット上の反応を受けて、コニカミノルタ側がコラムを削除した。J-CASTニュースの取材に応じた同社の広報担当者によれば、記事を削除したのは20日夕。理由については、
「一部に誤解を招きかねない表現があったと判断したためです」
と説明していた。
なお、問題視されたコラムには、体臭研究の第一人者だという「五味クリニック」の五味常明院長が監修している、との説明があった。そこで記事の執筆体制や具体的な監修プロセスについて担当者に質問すると、
「五味先生の著作に書かれている内容を、まず契約している外部の制作会社がウェブ用に編集し、それを改めて五味先生に監修していただいた上で、掲載しています」
と説明。削除したコラムは、10年3月刊行の「新・もう汗で悩まない」という書籍が参照元だという。
なお、今回のコラムをめぐる騒動について担当者は、
「冷房と汗腺の関係について、誤解を招きかねない表現がありました。(サイトを)ご利用の方々には、説明をせず削除してしまい、お詫びを申し上げます」
と謝罪していた。