読売社説「企業統治の欠如にあきれるばかり」
この間、次々に発覚した様々なメーカーの不正では、三菱マテリアルの竹内章氏が6月22日付で社長から会長に退いたが、11日の発表の際は会見なしで、人事実施日の株主総会当日も小野直樹新社長のみが会見し、竹内氏は姿を見せないなど、説明責任という点で批判を浴びている。三菱マテは素材メーカーだが、消費財メーカーである日産の対応には、世間の関心も高く、大手紙でも、17日時点で日経、朝日、読売、産経が社説で取り上げている。
「経営陣は有効な対策を打てない。企業統治の欠如にあきれるばかりである」(読売7月13日)というのが率直な世の中の受け止めで、「原因解明と再発防止策の徹底が欠かせない」(日経7月12日)のは当然。読売は「国土交通省は検査制度の見直しを進めている。......不正が後を絶たない以上、制度の厳格化はやむを得まい」と、国の対応も求めている。
そして、経営責任について各紙は、日経が「不正を発表した9日の会見に、西川広人社長が不在だったのも疑問である。『経営トップが自ら説明するほどの重大案件ではない』と考えているのだろうか」と、皮肉交じりに苦言を呈すれば、朝日(11日)も「企業体質を改めて会社全体を正しい方向に向けるには、何より経営トップが厳しく身を律する必要があるのではないか」と指摘。産経(11日)は「SUBARUは責任を取って最高経営責任者(CEO)が交代した。日産が本当に信頼の回復を図るというのなら、経営責任も併せて明確にすべきだろう」と、トップの辞任を含むけじめを求めていると読める厳しい書きぶりだ。