プロ野球・埼玉西武ライオンズの本拠地で、様々なイベントやコンサートが開催されるメットライフドーム(埼玉県所沢市、西武ドーム)。2018年7月14日から16日の3日間は、アイドルグループ「Kis-My-Ft2」のコンサートが行われた。
チケットの当選通知が配信されたと思われる3月ごろからは、ツイッター上で「西武ドーム行く人は水分補給大事に」、「サウナドームって呼ばれてる場所で歌って踊るから心配」と、利用経験者とみられる人達からの投稿が多数見受けられた。こうした呼びかけは、今回に限ったことではない。運営側はどう対応しているのか、話を聞いた。
大型扇風機や気化式冷風機の設置以降、「好意的な声」
J-CASTニュースは、メットライフドームの運営管理を行う西武ライオンズに取材を申し込み、再取材分も含め7月14日までに回答書を受け取った。
プロ野球の試合とコンサートなどのイベントでは「暑さ」への対応が異なる。まず、プロ野球の試合の際はどうなのか。
2016年からスタンド内に6台、バックスクリーン下に2台の稼働式大型扇風機を設置し、ドーム内の空気を循環させている。さらに、バックスクリーンのパネルシャッターを練習時間中は開放し、空気の入れ替えが行われている。
会場外のドーム前広場ではミストも稼働している。
14年7月13日に行われた埼玉西武ライオンズ対オリックス・バファローズ戦で、糸井嘉男選手が熱中症になり、途中交代した。野球選手でもやられてしまったことがある暑さについても聞いたところ、
「1・3塁側のベンチと1・3塁側のブルペンに計7台の気化式冷風機を16年に設置しております」
との回答だった。
これらの対策の評判についても聞くと、
「大型扇風機や気化式冷風機の設置以降、ホームチームおよびビジターチームからは好意的な声があがっています」
とのことだ。
イベントでの対応は
一方で、イベント開催についてはどうなのか。
18年7月8日に行われた人気ゲーム「アイドリッシュセブン」のイベントで女性6人が体調不良のため病院に搬送されたと9日、産経ニュースが報じた。気象庁によると、イベントが行われた日の所沢市の最高気温は30度だった。
この件について西武ライオンズは、女性らが搬送されたのは事実だと認めたうえで、「球団から特にコメントはしておりません」と回答した。
このようなトラブルの対策として、コンサートやイベントの主催者に「熱中症注意の告知文」を作成してもらい、公式サイト、チケットの裏面に記載するなどして観客に周知させているという。開催当日についても、ドーム内外で「熱中症注意」を促すアナウンスはしている。
しかし、7月と8月に行われるコンサートの公式サイトを閲覧したが、熱中症や暑さ対策に関する記述がないイベントもあった。
熱中症対策には水分補給が重要だ。しかし、メットライフドームの会場周辺にはコンビニが一軒しかなく不十分との指摘もある。これについても、ドーム内外での飲料販売で補っているとのこと。
また、野球開催同様に、ドーム前広場でミストが稼働している。
「構造上の問題はございません」
東京ドームなど他のドーム球場と異なり、壁面がない特徴的な構造となっている。この構造そのものに問題があるのではないかと聞いたところ「構造上の問題はございません」との回答だった。
また、他のドーム球場との違いについては、
「当ドームは狭山丘陵のなかにあるアウトドア感覚のドーム球場ですので、野球開催日・イベント・コンサート開催日は必ずお客さまの体調面・安全面も含め注意喚起およびお客さまに対してのおもてなしをしております」
と説明した。