サカイ社は今回の対応をどう捉えているのか
磯貝さんの投稿には、同社の元従業員・アルバイトだというユーザーも意見を発している。「僕のところは休憩も多め」という声がある一方、「どこの夢の世界?」「営業所にもよるでしょう」と作業員を気遣う対応について疑問も少なくない。また、「暑いのかなりわかるけど、到着してなくて休憩なんやね」と対応としては不適切ではないかという指摘もある。
今回のように、熱中症などへの対策で客先訪問前に休憩を取ることは、全社的に推奨しているのか。サカイ引越センターの広報担当者は20日、J-CASTニュースの取材に、「予定時間に変更がないように、というのが基本です」として、
「作業中に休憩時間をとらせていただくことを見込んで、お客様のお宅にお伺いすべきところが本来かと思います。ですので、今回の対応が企業として正しかったかどうかは、一概には判断しかねているところではあります」
と話す。その上で、
「ただ、好意的に受け止めてくださったお客様の懐の深さに感謝申し上げたいです」
としている。
炎天下の引っ越し作業は熱中症のリスクが高いとし、「10分動き回ると、汗でシャツが絞れるくらいになることもあります」というほど。大きな家庭の引っ越しだと、積み込みだけで3~4時間かかることもある。そのため、本社から全国の支社に猛暑対策自体は促している。
たとえば「経口補水液や熱中予防のタブレットを携帯させたり、トラック内にクーラーボックスを持ち込んだり、冷たいタオルを常備させたり、といったことはさせています」というほか、
「数十分に1回は飲み物を飲みなさいとか、1時間に一度は10分ほど休憩するといったことを、お客様の迷惑にならない範囲でお声がけし、願い出るようにしています」
といったものだ。磯貝さんもツイッターの中で「作業員さんは10分動いたあとに10分休憩を取っていた」ということも伝えていた。
今回のケースについて、広報担当者は「『熱中症で体調を崩してご迷惑をおかけするリスクがあるのなら、先に休憩させよう』という現場の判断だったのだと思います。遅くなるのでとにかくお詫びの連絡を、という心づもりだったところ、お客様が前向きに受け取ってくださったようです」と話していた。