参院の定数6増を盛り込んだ公職選挙法改正案が2018年7月18日の衆院本会議で可決・成立し、賛成票を投じた自民党の小泉進次郎筆頭副幹事長にブーイングの嵐だ。議場では実際にブーイングが飛び、普段は野党のみならず「ゆ党」路線の日本維新の会のメンバーからも厳しい声が相次いだ。
小泉氏は国会改革に関する超党派議連の会合を主導する立場。今回の行動で「もう国会改革なんて口にしないほうがいい」といった声も目立った。
「国会は変えなければいけない」強調も...
小泉氏は記者団に対して、野党からのブーイングについて
「これは光栄ですね。いろんな議員が賛成票を投じた中で、私だけにブーイングをしてくれるというのは、名誉あるブーイングだと思います」
などと感想を口にし、賛成票は党の決定に従った結果だとして
「改めて、『国会は変えなければいけない』という思いを込めた」
などと説明した。
こういった説明に納得する声は皆無と言ってよく、野党議員からはツイッターで小泉氏を名指しして非難する声も相次いだ。立憲民主党の川内博史衆院議員は、
「国会改革は『自民党をぶっこわす』しかないのでは?お父上と相談されてみたら如何か」
と皮肉り、無所属で立憲民主党会派の小西洋之参院議員は
「口だけの国会議員ほど罪深い存在はないと思う。小泉議員の奮起に期待したい」
と、国会改革の確実な実行を求めた。
松井知事は「ケツワリ」とやゆ
今回の法案には反対していた日本維新の会のメンバーからは、さらに厳しい声があがった。下地幹郎衆院議員は、
「小泉進次郎がこの法案に賛成しました。彼は国会改革を言う資格はもうありません。パフォーマンスだけは絶対にダメです」
と、小泉氏を呼び捨てにしながら非難。東徹参院議員も、
「何故、もっと異を唱えなかったのか、やはり仲間がいたからか?進次郎さんは、もう国会改革なんて口にしないほうがいいです」
も同様だ。大阪府の松井一郎知事(日本維新の会代表)は、
「やっぱり、予想通りのケツワリでした」
と、仕事を途中で投げ出してしまうことを指す「ケツワリ」という言葉を使って論評。足立康史衆院議員は、馬場伸幸幹事長が
「本会議場で小泉氏から『(定数増を)容認することはできないが、しぶしぶ賛成する』と伝えられたことを明かした」
と報じる朝日新聞の記事を引用しながら、
「小泉さんも小泉さんだが、彼を庇うばかりの馬場さんも馬場さん。ディールのつもりかもしれないが、余りに小さなディール」
と突っ込み、党執行部との微妙な距離感をにじませた。