「ペットショップWAN」仙台店の従業員が、店で飼育している子猫を不適切に扱っていたことが判明したとして、運営会社のハルズコーポレーション(大阪市)が2018年7月19日に謝罪文を発表した。
事態が発覚したのは、来店客の1人がツイッターにアップした動画がきっかけだ。店の営業時間中に女性従業員が、ケージ内の子猫をわし掴みにし、身体を上下に大きく揺さぶる様子が映っていた。
「あそこまでやるのは虐待ですよ」
「お店にいる生き物全てが可哀想に思えてきます。許せない」――。問題の動画は18日昼、こんな怒りのコメント付きで投稿された。投稿者は続くツイートで、店名や問い合わせ先も明らかにしていた。
動画の長さは約25秒。女性従業員はタブレット端末を持っており、カメラ機能でケージ内の子猫を撮影しようとしている。だが、猫が思ったようなポーズを取らなかったのか、従業員は猫の胴体をわし掴みにして、
「違う」「何でそうなるの」
などと呟く。さらには、猫を掴んだまま持ち上げて大きく揺さぶるシーンもあった。
投稿者はこの従業員にも直接の注意をしたと明かした上で、「お店にとっては商品かもしれないけど 命なのは忘れないでほしい」と苦言。こうした投稿を受けて、ツイッターやネット掲示板には、
「写真撮るためにあそこまでやるのは虐待ですよ」
「動物が好きな人のやり方じゃないですね。好きならこんなに乱暴なことはしないはず」
「まだ子猫で大事な時期なのに、あんな事されたら、可哀想で仕方がない」
など店や従業員に批判的な意見が相次いで寄せられた。
いったん「謝罪」コメント→削除
こうした事態を受けて、ペットショップWAN仙台店の公式ページ上には18日夜に謝罪文が掲載された。「ご不快な思いをさせてしまい心からお詫び申し上げます」として
、「今回SNSツイッターから拡散している動画につきまして、この様な行為は著しく生物を扱うものとはかけ離れ配慮に欠けた行為だと社として認識しております」
などと謝罪していた。
しかし、この謝罪文は19日早朝までになぜか削除された。そのため、ネット上には「どう見ても謝罪文取り下げてる」「会社として『無かった事』にする気なのかも」などと疑うユーザーまで出る騒ぎとなっていた。
その後、運営会社名義での新たな謝罪文が19日昼、「WAN」グループの公式サイト上に改めて掲載された。仙台店のアルバイト従業員が「仔猫の写真撮影の際に適正さや慎重さに欠ける行動を行っていた」ことが判明したとして、
「高い倫理観や道徳性が求められるペットショップとして、このような不適切行為を発生させましたことについて、役員・社員一同深く反省をいたしております。ご迷惑・ご心配をおかけしましたお客様をはじめ、地域の皆様、関係者の皆さま、ならび動物に対して、心からお詫び申し上げます」
と謝罪する内容だ。
従業員は懲戒処分に
運営会社の謝罪文では、今回の一件は監督官庁にも報告すると説明。また、当該従業員は19日付けで懲戒処分とし、すでに退職したとも伝えた。今後の対応については、
「仙台店にて取り扱っている生体に対して再度獣医師による健康確認を実施いたします。また、社員に対する教育を徹底するだけでなく、監視カメラ等を用いた監視体制構築により管理体制の強化を図り、再発防止に向け全社をあげて取り組んでまいります」
とした。
店のページで公開した謝罪文をいったん削除したことについて、運営会社ハルズコーポレーションの担当者は19日昼、J-CASTニュースの取材に「会社として、正式な形での謝罪文に差し替えるためです」と説明した。