首都大学東京――かつての東京都立大学などを再編して、この一風変わった名前の学校が誕生したのは2005年のことだ。
それから13年、「東京都立大学」の名前が復活するかもしれない。小池百合子都知事がこの「再改名」案に言及、大学側も「検討を開始」したとの声明を発表したのだ。
慎太郎流で決まった名前だが...
「総じて、改名が及ぼすメリットは大きいと考えています。首都大クソbotとしては少々寂しくはありますが......」――2018年7月18日、J-CASTニュースのツイッターを通じた取材に、そんな複雑な心境を語ったのは、首都大のある現役学生である。
こちらの学生は、「首都大クソbot」なるツイッターアカウントの「中の人」だ。大学をめぐる様々な「自虐ネタ」を日々つぶやいている。たとえば、
「___________大学
こういうのどう書けばいいのかわからないから首都大はクソ」
といった具合に。
事の発端となったのは、2018年7月12日に行われた都政改革本部会議での、小池百合子都知事の発言だ。会議には、首都大学東京の関係者が出席、その現状などを都知事らに報告した。その中で議論に上ったのが、大学の知名度向上、いわゆるブランディングをめぐる課題である。
そもそも首都大学東京は2005年、時の石原慎太郎都知事の主導で、東京都立大学など4校を統合、新設された。注目されたのは、日本ではほかに例のない、「~大学」式ではない一風変わった名前だ。当時の新聞報道によれば大学名は一般公募を行ったが、なぜかそこになかった「首都大学東京」が決定案に。最終的な命名者は石原氏本人だ。同時期にはほかにも「新銀行東京」なるネーミングも行われており(18年5月、合併で消滅)、その趣味が強く出た命名だったようだ。
その奇抜な名前はしかし、今のところ定着しきっていないようだ。都政改革本部会議で示された資料によると、「大学の改善してほしい点」を学生に尋ねたところ、「大学名・知名度」が46.1%でトップに。「全然知名度がない」「首都大の名前を企業が知らないことがある」「大学のレベルの割に知名度が低い」――と、不満の声が相次いだという。