「蛍のところでファウルは無理」 酒井宏樹、ベルギー高速カウンターで断言

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   サッカーのロシア・ワールドカップ(W杯)全4戦にフル出場したDF酒井宏樹(28)が、ベルギー戦(2-3)で決勝点を許したカウンターのシーンを振り返り、「対応は全ての選手が正しかったと思う」と述べた。

   ベルギー代表選手らの試合後の振る舞いについても「勝ち慣れている」と回想。力の差を痛感したようだった。

  • サッカー日本代表のDF酒井宏樹(2018年6月撮影)
    サッカー日本代表のDF酒井宏樹(2018年6月撮影)
  • サッカー日本代表のDF酒井宏樹(2018年6月撮影)

「ピッチにいる誰もがCKに懸けていました」

   決勝トーナメント1回戦のベルギー戦は、2-2で迎えた後半終了間際、MF本田圭佑(32)のCKを守ったベルギーが高速カウンター。GKティボー・クルトワからボールを受けたMFケビン・デブライネがドリブル突破すると、パスを受けたDFトーマス・ムニエがクロスを上げ、MFナセル・シャドリが中央で合わせた。一切スピードが緩まない電光石火だった。

   2018年7月16日未明放送の「Going!Sports&News」(日本テレビ系)でインタビューを受けたDF酒井宏樹は、このカウンターにおけるいくつかの場面を振り返った。

   本田のCKは中央に放り込むのでなく、パスをつないで延長戦に持ち込むべきだったのではないかという声がある。だが、酒井は「ピッチにいる誰もがCKに懸けていました。そのCKで点を取れず、向こうにやられた。懸けていた分、多少のリスクは負っていた」と90分で勝負を決める意思統一が図られていたことを明かしている。

   ここからのカウンター。ベルギーは瞬時の攻め上がりですぐに数的優位をつくった。ドリブルするデブライネの前にいたMF山口蛍(27)は、ファウルしてでも止めるべきだったとの指摘もある。しかし酒井は「蛍のところでファウルするのは無理でした」としている。

   その前の段階として、酒井は「クルトワがボールを持った時に出させないようにするとか、デブライネがボールを持つ前に引っ張っちゃうとか...」と2つの局面をあげたが、「それらをする余地はあったか?」と問われると、

「ちょっと無理でしたね。本当に速かったんですよ。みんなが言うように個の差がある。局面を打開するのはそこなので」

とベルギーとの差を痛感している。また、「対応に関しては全ての選手が正しかったと思う」と述べている。

「敗者を見る絵を多く見てきている人たち」

   後半開始早々に2点先制したのは日本だった。だが相手に焦りは見られなかったという。「ベルギーの選手たちはすごく大人だったと思います。2-0になっても荒れている選手は少なかった。逆転できる気持ちがあの場面、あの舞台で持てるのはすごい」と、そのメンタリティに酒井は感服した。

   試合終了直後も、「チームで輪になるわけではなく、負けた日本の選手のところへすぐに行っていた」とベルギーの選手らの行動に驚いた。FWエデン・アザールやFWロメル・ルカクらは、ピッチに倒れ込んだ日本の多くの選手のもとへ行き、手を取って健闘を称えた。酒井は冗談まじりに、「絶対俺らできないです。勝ったら『よしっ!』みたいになるじゃないですか、(ベンチから)みんな出て来て」と対比すると、

「あの対応は勝ち慣れているというか、敗者を見る絵を多く見てきている人たちなんだろうな」

と、強豪ならではの姿勢を感じ取ったようだった。

   ベスト16の壁を破れなかった日本だが、「悔しさを持てたことが達成感ですね」と語り、「来季戦う活力を、負けたことによってもらえました。優勝していたら何もなかったでしょうね」と笑い、前を見ていた。

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