エアフォース・ワンの色が変わる?トランプ好みの「赤白青」に「ロシアと同じ」

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   1960年代から続いてきた米国の大統領専用機「エアフォース・ワン」の外装が、早ければ2021年に導入される新機種で大きく変わることになりそうだ。現行塗装は水色と白をベースにしたものだが、トランプ大統領が「赤、白、青」にすると表明した。

   これは星条旗に使われている3色でもあることから「愛国的」だとする向きもあるが、すでに広く定着している外装を変えることへの抵抗も根強く、ロシアの大統領専用機との「かぶり」を指摘する声もある。

  • 現行の米大統領専用機。買い替えが懸案になっている
    現行の米大統領専用機。買い替えが懸案になっている
  • 現行の米大統領専用機。買い替えが懸案になっている

「1億5000万ドルを節約して、新しい機材を発注することができた」

   現行機はボーイング747-200型機をベースにしたもので、1990年に導入。耐用年数は約30年で、買い替えが懸案になっていた。トランプ氏としては、この買い替えも自らの功績としてアピールしたい考えのようだ。トランプ氏は大統領当選を確実にしていた16年12月、ツイッターで

「ボーイングは未来の大統領のために747型機のエアフォース・ワンを製造中だが、コストがコントロール不能で、40億ドルを超えた。注文はキャンセルだ!」

などと高コストぶりに立腹。その後、米政府と米ボーイング社は値下げ交渉を続け、18年2月、39億ドルの「固定価格契約」に合意した。

   トランプ氏のインタビューは訪問先のスコットランドで収録され、CBSテレビが7月17日(米東部時間)に放送した。その中でも、トランプ氏は

「1億5000万ドルを節約して、新しい機材を発注することができた」

とアピール。外装を「赤、白、青」にする考えを明らかにした上で、

「エアフォース・ワンは、とてつもなく素晴らしいものになるだろう。世界最高のものになるだろう。赤、白、青。これは適切だと思う」

などと胸を張った。

CBSキャスター「今の専用機の色は非常に象徴的」「私もパウダーブルーが好き」

   新型の大統領専用機はボーイング747-8型機をベースにし、早ければ21年には導入したい考えだ。ただ、そこまでには紆余曲折がありそうだ。トランプ氏はインタビューの中で、

「こんなことは言いたくないが、時間がかかるだろう。非常に複雑なプロジェクトだ。完成までには多くの大統領が誕生しているだろう。利用して楽しんでほしい」

と発言。自らの任期中(1期目は21年1月、2期目があるとすれば25年1月まで)に納入されない可能性を示唆した。

   これに加えて、新塗装に対する世論の反発も出そうだ。トランプ氏のインタビューを放送したCBSでも、VTRを見終わったキャスターが

「今の専用機の色は非常に象徴的」
「私も(現行の)パウダーブルーが好きだ」

などと次々に不満をもらし、英BBCも

「今回の変更で、広く知られた米国のイメージを放棄することになるという批判が出ているほか、ツイッターでは多くの人がロシアの大統領専用機も『赤、白、青』だと指摘している」

と伝えている。ロシアの大統領専用機はイリューシン96型機をベースにしており、ロシア国旗をモチーフにした「白、青、赤」のラインが入っている。それ以外にも、フランス大統領専用機のラインが「青、白、赤」だ。

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