「労働力確保のための採用・教育コストも上昇」
「はなまる」や「京樽」も売上高が伸びたのに、それぞれ15%超の営業減益。「ステーキのどん」「フォルクス」を運営する事業は店舗撤退などもあって売上高が7.1%減り、8600万円の営業赤字となった。海外事業も増収の半面、やはり原材料価格上昇により63.6%の営業減益と振るわなかった。吉野家HDは全体の赤字について、「肉・米を中心とした食材価格やアルバイト・パートの時給が上昇し、労働力確保のための採用・教育コストも上昇した」と説明している。
市場の一部には赤字でも吉野家HDが通期の業績予想を修正しなかったことから「今後のコスト減が見えているのではないか」と楽観する向きもある。しかし株価はその後も、12日に1800円を割り込み、そこからやや戻すという一進一退を繰り返す。当面、3~5月期の決算発表前に維持していた2100円台まで戻るのは厳しい展開で、次の一手が待たれていると言えそうだ。