シャネル、エルメス、ルイ・ヴィトン。数多の世界的ファッションブランドが生まれたフランスでは、サッカー選手の「コーディネート」も一味違うのだろうか? サッカーのロシア・ワールドカップ(W杯)をめぐってにわかに注目されたことがあった。
優勝したフランス代表は、大会7試合のうち、準決勝までの6試合でシャツ・パンツ・ソックスの組み合わせが全て異なっていたのだ。
シャツとパンツは青と白の2色、ソックスは赤が加わって3色
FWキリアン・エムバペ(19)を筆頭に若き才能が数多くそろったフランス代表。チームを支えるFWアントワーヌ・グリーズマン(27)、MFポール・ポグバ(25)、MFエンゴロ・カンテ(27)らも20代半ば。2022年W杯はおろか、その次の26年W杯すら大半が代表に残ってもおかしくない。
ロシアW杯は18年7月15日のクロアチアとの決勝でも、その能力をいかんなく発揮。前半にグリーズマンがFKからオウンゴールを誘い、PKで追加点。後半はポグバ、エムバペが1点ずつ追加し、4-2という大味なスコアでフランスに自国開催の98年大会以来2度目の優勝をもたらした。
そのフランス代表は、ユニフォームのカラーをめぐっても注目を集めていた。シャツとパンツとソックスの組み合わせが、グループリーグ(GL)から準決勝まですべて異なる配色だったのだ。
GLでは、オーストラリア戦で上から青・白・青、ペルー戦で青・青・赤、デンマーク戦で白・青・白という組み合わせ。決勝トーナメントは1回戦・アルゼンチン戦で青・白・赤、準々決勝・ウルグアイ戦で白・白・白、さらに準決勝・ベルギー戦では青・青・青だった。
シャツとパンツは青と白の2色、ソックスは赤を加えて3色あり、この6戦で見た目にも楽しませた。なお決勝・クロアチア戦は、準決勝と同じ青・青・青だった。
他の出場国と比べても、6パターンというのは抜きんでている。同じく7戦を戦ったベスト4の他3チームでは、準優勝のクロアチアは黒・黒・黒(3戦)、赤白チェック・白・白(2戦)、黒・黒・赤(2戦)の3パターン。3位ベルギーは赤・赤・赤(5戦)、黄・黒・黄(2戦)の2パターン。4位イングランドは白・紺・白(2戦)、赤・赤・赤(3戦)、白・白・白(1戦)、赤・白・赤(1戦)の4パターンだ。
「フランスのバラエティの豊かさすごい好き」
ベスト8・16で敗退した12チームも、基本的に2パターン。スイスとアルゼンチンは3パターンあった。日本代表は全4戦で同じ青・青・青だった。
こうしたフランスのバリエーションの多さに対しては、ツイッター上で、
「確かに毎回フランスはおしゃれだし、クラブチームに至ってもリーグ1はすごくこだわりを感じるユニが多くて『さすがファッションの国』と言いたくなる」
「フランスのバラエティの豊かさすごい好き」
「アルゼンチン戦のコーディネートがNo.1 でもペルー戦もなかなか好き」
などといった声があがっていた。
ユニフォームは、対戦相手に合わせて視認性を高める機能が重要であるため、フランス代表がこれだけ多くの組み合わせを着用していたのは、意図的なものというより偶然の産物かもしれない。国際サッカー連盟(FIFA)のユニフォーム規定によると、各チームはシャツ・パンツ・ソックスのセットで2パターンのユニフォームを用意しつつ、両チームの色彩の区別が明確でないと判断された場合、3色目のカラーを含めた組み合わせでユニフォームを着用する場合がある。
なお日本サッカー協会(JFA)でも、「色彩が類似しており判別しがたいと判断したとき」は、「両チームの各2組のユニフォームのうちから、シャツ、ショーツ及びストッキングのそれぞれについて、判別しやすい組み合わせを決定することができる」とのユニフォーム規定を設けている。