今年もそうめんがおいしい季節がやってきた。うだるような暑さのなか、あっさり冷たいそうめんをツユにつけ、チュルっとすする。まさに夏ならではの味だ。
ところで、家で食べるそうめんといえば、どんな盛り付けをイメージするだろうか。水をしっかり切ってザルに盛るのか、氷水の入った深皿で麺を泳がせるのか。そのほかにも、色々なパターンがあるだろう。
実は、いまインターネット上で、「そうめんの盛り付け方」をめぐるアツい議論が交わされている。そこでJ-CASTニュースは今回、最もおいしい食べ方を専門家に尋ねた。その結果は...。
盛り付け方に地域差はあるのか
議論の発端は、あるツイッターユーザーが2018年7月9日に投げかけた素朴な疑問だ。
投稿者の女性は、そうめんは「水を切って、ザルに盛り付ける」と考えていた。だが、大阪出身の夫は、「氷水の中に入れて出すのが普通じゃないの?」。こうした意見の違いを受けて、
「関西と関東で違うの?」
とツイッターで尋ねたのだ。
この問い掛けを発端に、ネット上では「うちでは水を切って皿に盛ってます」「ウチの実家も氷水に入れて出てきました」などの意見が続出。ただ、肝心の地域差については、
「ずっと関東ですが氷水に漬けて出てきましたね」
「大阪ですが水切ってから食べます...」
との声も。そのため、「地方というより、各家庭の好みの問題っぽい」と分析するユーザーも目立っていた。
その後、議論はさらに進展。地域による違いというテーマから、どのような食べ方が正しいか争う動きが起きたのだ。実際、ツイッターやネット掲示板をみると、
「水を切るのはそうめんの良さを潰してる」
「のびると美味しくないので、ざる一択」
といった意見の対立が起きている。
そうめんの正しい食べ方は?
そうめんの盛り付け方に地域差はあるのか。また、よりおいしく食べるにはどちらの盛り方が適切なのか――。J-CASTニュースは11日、実家が製麺所だというそうめん研究家のソーメン二郎さんに聞いた。
まず、各ユーザーによって盛り付け方に違いがあった点については、
「おそらく地域差ではなく、家庭差ではないかと思います。そうめんは外食ではなく家庭料理です。おばあさま、お母さんが、氷水に入れて出す家庭であれば、それがずっと続くのではないかと思います」
とコメント。その上で、ソーメン二郎さんの「おすすめ」の食べ方を聞くと、
「そうめんは、油をとるために水洗いし、氷水で締めた後は、すぐザルに入れて食べて下さい。長時間、そうめんを水に浸していると水分を吸って小麦本来の味や食感が大きく損なわれます。また、氷水がめんつゆに入りつゆがどんどん薄くなります」
とのことだった。
また、揖保乃糸(いぼのいと)で知られる兵庫県内の製麺業関係者も、地域差については「聞いたことがありません。やはり、家庭によって違うのではないでしょうか」と指摘。続けて、
「しっかりと水を切らないと、麺が水を吸収して柔らかくなり、どんどんマズくなります。一口大に巻いて、ザルに乗せるのがベストです」
と断言。取材の中では、「兵庫はもちろん、そうめんに親しんでいる地域では、しっかり水を切って食べる家庭が多いと思いますよ」とも話していた。