2018年7月8日放送の情報番組「Mr.サンデー」(フジテレビ系)で放送した「独自入手」映像はホンモノか――。ツイッターで、そんな疑問の声が噴出した。
番組では、岡山県総社市のアルミ工場が爆発した瞬間を撮影した「独自入手」映像を放送。ただ、これが中国で15年に起きた天津大爆発の映像と酷似しているとして、番組制作側のミスを疑う声が相次いで寄せられているのだ。
「中国天津の爆発映像じゃんよ」との声が
岡山県総社市で7月6日深夜、朝日アルミ産業の工場が爆発し、火災が発生。周辺の民家など3棟に燃え移り、爆風で建物の窓ガラスが割れるなどした。
8日放送の「Mr.サンデー」では、「工場が爆発する瞬間」を遠巻きから撮影した、約10数秒の映像を放送した。
「これは、Mr.サンデーが独自入手した映像。大雨が降る中、闇夜が一瞬にして巨大な光に覆われた」
と、ナレーション。画面上のテロップで、視聴者撮影の映像である旨を明記していた。
この映像をめぐっては、ツイッターで放送後「映像はホンモノなのか」と信憑性を疑う声が相次ぐことに。というのも中国・天津で2015年、173人の死者・行方不明者を出した中国天津市港湾地区の大規模爆発を撮影したYouTubeの動画と酷似しているとの指摘が寄せられたのだ。
「先ほど放送された岡山県総社市の爆発とされる映像は、2015年の中国・天津の工場爆発の動画です。間違えてます」
「Mr.サンデーで視聴者撮影です!って出してる岡山のアルミ工場爆発映像、これ中国天津の爆発映像じゃんよ」
「Mr.サンデーの爆発映像が間違ってる。適当だなフジも」
フジ広報「爆発を撮影したという方から入手した」
15年に発生した天津爆発の映像は、以前からネット上に出回っている。このうち、YouTubeに投稿された動画は2015年8月の公開後、18年7月現在で再生回数87万回超にのぼっていた。20秒間の動画では、遠方のほのかな火元から炎が立ち上り、巨大な光が一気に闇夜を埋め尽くす――そんな様子が映っている。
照明の数に加え、光った瞬間の近影など、細かい部分も「Mr.サンデー」の映像とそっくり。こちらは縦長の動画で、テレビ画面と合わないが、裏を返せば、「Mr.サンデー」の映像がYouTubeと同じ動画の下部を切り取り、爆発部にクローズアップしたようにも見て取れる。
はたして、フジテレビはネット上のギモンにどう答えるのか。広報担当者に(1)映像は本物か(2)どのように映像を入手したのか――など質問状を送ると、こんな回答が返ってきた。
「ご質問の映像は、爆発を撮影したという方から入手したものですが、異なる爆発の映像ではというご指摘があり、現在、改めて事実関係を確認しているところです」