豪雨の影響で中止となったロックフェス「京都大作戦2018」に参加予定だった若者の一部が、大阪市の「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)」に集まり、園内で「モッシュ」と呼ばれる迷惑行為をする騒ぎがあった。
モッシュとは、ロックバンドなどのライブで、音楽に合わせて観客同士が体を激しくぶつけ合うこと。ツイッターに投稿された動画には、バンドのTシャツなどを身に着けた数十人の男女が、大声で叫びながら園内でモッシュをする様子が映っていた。
「ユニバ大作戦」企画が騒動の発端に
京都・宇治市内の公園で2018年7月7日、8日に開催予定だった「京都大作戦」は、同府出身のロックバンド「10-FEET」が主催する野外ロックフェス。「WANIMA」や「マキシマムザホルモン」など、若者に人気のバンドが多数出演する予定だった。
だが、西日本を襲った記録的な大雨の影響で、京都府内では河川の氾濫や土砂崩れなどの被害が相次いでいた。こうした状況から、主催者側は7日昼に全日程を中止することを公式サイト上で発表した。
開催中止の発表を受けて、フェスに参加予定だったツイッターユーザーの一部が、
「ユニバ大作戦」
という企画を告知し始めた。要するに、中止となったフェスの代わりに、バンドのファンが集合してUSJを訪れようと呼びかけたのだ。
この企画はツイッター上で拡散され、翌8日のUSJには、本来は「京都大作戦」に参加する予定だった若者らが集結。実際、この日パークを訪れていた来園者からも、
「ユニバに京都大作戦のTシャツ着てる人いっぱいおった」
「京都大作戦から流れて来た人も多いしなんかフェス気分」
などのツイートが出ていた。
だが同時に、上記のような経緯でUSJを訪れた音楽ファンの一部が、園内でマナー違反にあたる行為を繰り返していたとの報告も目立った。スピーカーの大音量で音楽を流したり、大声を上げて集団で騒いだりする若者がいたというのだ。
「オイ!オイ!」「イエーイ!」
さらにツイッターには、園内の「グラマシーパーク」と呼ばれる芝生のエリアで、数十人の男女が集まって「モッシュ」と呼ばれる行為をする姿を撮影した動画もアップされている。
動画の長さは約45秒。冒頭では、バンドTシャツ姿の若者らが「オイ!オイ!」「イエーイ!」などと大声で叫びながら、大きく広がって円を作る。その後、一斉におしくらまんじゅうのように密着し、互いの体を激しくぶつけ合う。この集団は、音楽は流していなかった。
なかには、タオルを勢いよく人に向かって投げつける男性もいた。こうしたモッシュ行為が終わると、参加者らは笑いながら「最高すぎ」「ヤバい」などと興奮気味の様子で次々と口にしていた。
こうしたモッシュ動画をはじめ、「京都大作戦」に参加予定だった音楽ファンによるUSJ園内での迷惑行為について、ツイッターやネット掲示板には、
「ユニバ大作戦って...ユニバ大迷惑やん」
「京都大作戦中止なったからってユニバで大暴れした馬鹿共何?普通に迷惑やからやめてくれ」
「何も知らない家族連れの人達とが見たら、暴走族の集会と変わらない」
「京都大作戦が中止になったからユニバに行こうって気持ちはわかるがそれならユニバの楽しみ方をしてくれ」
との批判が殺到。さらには、ユニバ大作戦を企画したユーザーらに対しても、批判や中傷のリプライ(返信)が相次ぐなど、いわゆる「炎上騒ぎ」となったのだ。
モッシュ参加者「反省をしています」
実際、ネット上でとくに問題視されたモッシュ行為に参加していたというあるツイッターユーザーは9日、J-CASTニュースの取材に対し、「本来は集合写真を撮って終わりの予定でした」と説明。その上で、
「ですが、何かフェス感がでればと、軽い気持ちで(モッシュを)行ってしまいました」
という。
そのほか、このユーザーは「少し騒がしくしてしまう」という旨を事前にスタッフに伝えていたとも説明。当時は、それで許可を得たものだと考えていた。また、拡散された動画のほかにも、音楽を流しながらモッシュ行為をする別グループもいたという。
このユーザーは自身のツイッターで、「いけない事をしてしまったと反省をしています 本当に申し訳ありませんでした」などと謝罪。来年同じフェスが開催されたとしても、「迷惑をかけてしまったので(略)私は参加しない予定です」としていた。
なお、J-CASTニュースでは9日午後、今回の騒動についてUSJを運営するユー・エス・ジェイ社(大阪市)に取材を依頼したが、広報担当者からの回答は、
「ご指摘の件につきましては、ゲストの個人的なお話となりますので、こちらからはコメントを控えさせて頂きます」
というものだった。