東日本大震災で学んだこと
こうした救援物資の「洪水」を想定していたのが、高島宗一郎・福岡市長だった。熊本地震発生後わずか51分で自身のフェイスブックに福岡市災害対策本部の設置を報告するなど終始、迅速な対応は称賛の声を集めた。
高島市長は地震発生の翌15日、FBで「支援物資については現在ニーズと現地の受け入れ態勢を調査中」と報告。「現時点で区役所などに直接物資などを持ち込むと逆に混乱しますので、控えてください」と呼びかけた。
16日には「災害対応は一般的には発生から72時間を人命救助優先とし、その後仮設住宅の建設などの生活支援を中心とする対応を経て、本格的な復旧・復興期へと移行していくことになります」と投稿。その上で、
「被災支援については、その段階に合わせた支援を行うことが求められるのです。私自身もこのことは東日本大震災の時に学びました。現時点で市民の皆さんへ協力をお願いできることは義援金です」
そして17日以降、FBで支援物資提供を呼びかけた。17日は「ペットボトルの水」「トイレットペーパー」など6種類のみで、18日夜に「ウェットティッシュ」「栄養補助食品」を追加した。
ただただ、被災地に多くの救援物資を送ればいいわけではない――。幾度も大災害をくぐり抜け、いつしかその考えも広まっていくかもしれない。吉村洋文・大阪市長は今回の記録的豪雨をめぐり、ツイッターで大阪市民にこう呼びかけた。
「救援物質を送りたいので大阪市で窓口取りまとめて欲しいという声がありますが、被災自治体の意向を無視した応援は混乱に繋がりますので、義援金でのご支援をお願いします」(18年7月9日付)