「色んなところで災害が起きている時に、何でずらさなかったのかな」――。フリーアナウンサーの宮根誠司さんが、2018年7月6日放送の情報番組「情報ライブ ミヤネ屋」(読売テレビ)でそんな疑問を投げかけた。
オウム真理教による一連の事件で、松本智津夫(麻原彰晃)死刑囚(63)ら7人の死刑が執行された6日、西日本を中心に記録的な大雨が降り続いていた。要は同じ日にしなくても...と訴えたわけだが、ネット上では「何を言ってる?」と疑問の声が相次いでいる。
ガダルカナル・タカ「普通に驚いています」
番組では、オウム真理教を長年にわたり取材している有田芳生参院議員がゲストとして出演。宮根さんが「7人が1度に死刑執行、どう感じましたか」と質問すると、有田氏は
「麻原死刑囚だけでなくて他の人たちも含めて7人の死刑が執行されたのは、異例というよりも異常」
と感想を述べた。
国は長い間、執行した死刑について、年間の執行数しか明かしていなかった。ただ1998年から、執行当日に人数を公表している。「1日に1番多くても4人。今回は1日に7人」(有田氏)。
こうした事実を踏まえて、宮根さんはコメンテーターのガダルカナル・タカさんにこんな疑問をぶつけた。
「ただね、タカさんね、我々素人からいうとね、今、日本全国(が)大雨で大変な中で、災害も起きている、多くの方が命を落としている中で、あえて今日(死刑の執行を)やる必要があったのかというのは、素朴な疑問として思いません?」
折しも死刑執行の当日、活発した梅雨前線で、九州から中四国、近畿、中部にかけて記録的な大雨が降り続いていた。タカさんも
「普通に驚いていますよね。何か意志があって今日なのかな、それ以外に、こんな日にやる必要があるのかな。もうちょっと天候も落ち着いて、色んなところの被害もはっきりして、状況的に世間が落ち着き始めてから...」
と賛同した。
宮根「我々からすると、もっと柔軟な対応が」
続けて、宮根さんはコメンテーターの住田裕子弁護士に
「ずらせなかったのか、というのは...住田さん、素朴な疑問としてね、いま色んなところで災害が起きている時に、何でずらさなかったのかなって」
と疑問をぶつけた。住田氏はこれに対し、
「管理系統が、災害対策と法務省の執行とが重なっている場合は、たぶんずらしたと思います。官邸の災害救助本部とか色んな対策本部ができるのと、これとは、まったく別ルート」
と説明。災害対策と刑執行の意思決定プロセスは異なるものだと説いた。
この説明を受けて、宮根さんは
「我々からすると、もっと柔軟な対応があったんじゃないかと思いますが」
と再び主張していた。
「テレビ局の都合でしょ」
こうした宮根さんの発言は、インターネット上であまり賛同を得られなかったようだ。ツイッターでは、
「死刑執行と大雨被害ってどう関係するんですか?」
「何言ってんだろうこの人は」
「天気によって、死刑執行をずらす??何を言ってる??」
「『本日はお日柄もよく、雲ひとつない絶好の死刑日和ですね。』って感じで執行しろってこと?」
と疑問の声が相次いでいた。中には「メディアの都合で言っている」「大雨どうこうじゃなく、テレビ局の都合の話でしょ」と、あくまで宮根さんの意見はマスコミ側の都合に過ぎないとの意見もみられる。
時事問題などを解説するYouTuberのKAZUYAさんも、ツイッターで
「麻原の死刑執行がなぜこのタイミングなのかって言ってる人。じゃあ、いつならいいんだ?」
と訴えていた。
上川陽子法相は7月6日午後、会見で松本死刑囚ら7人の刑を執行したことを正式に発表。死刑の執行を命じたのは3日だったことを明かした。なぜこの時期になったかは「個々の死刑執行の判断に関わることで、差し控える」とした。