執行の時期が焦点になっていた
96年4月の初公判では、「自分は一切指示していない」などと、松本死刑囚の指示を受けたとする井上嘉浩死刑囚ら多くの弟子と見解が対立し、意味不明な発言を連発。2004年2月に1審で死刑判決が出たが、2審では弁護団が控訴趣意書を期限内に提出せず、06年3月に東京高裁が控訴棄却(裁判打ち切り)を決定。同じ9月には最高裁が特別抗告を棄却し、松本死刑囚の死刑が確定した。
ここでオウム裁判は大きな節目を迎えたが、12年6月に最後まで逃走を続けていた高橋克也被告(60)が逮捕され、14年1月に裁判が再開。最高裁は18年1月に高橋被告の上告棄却を決定し、無期懲役とした1、2審判決が確定。一連の裁判は全て集結していた。
松本死刑囚を含めてオウム事件で死刑が確定していたのは13人。18年3月には13人のうち7人が東京拘置所から全国の拘置所などに移送され、複数の施設でいっせいに死刑が執行されるとの見方が強まっていた。