サッカー日本代表の主将・長谷部誠選手(34)がロシア・ワールドカップ(W杯)から帰国し、出席した記者会見で、「スベった」ような場面があった。
その時、長谷部選手は「笑ってもらうところなんですけど...」と自ら述べ、「スベリ芸か」「俺は笑ったよ」とインターネットユーザーを楽しませた。
次世代への「フリ」に答えるも...会場「?」
日本代表は2018年7月5日に帰国し、日本サッカー協会(JFA)の田嶋幸三会長、西野朗監督、そして主将の長谷部誠選手が出席した。
長谷部選手は、サポーターの応援が「選手たちの耳に届いていました。本日も空港で多くの方が出迎えてくれ、選手冥利につきます」とし、「素晴らしいサポートをありがとうございました」と感謝した。
ベルギー戦敗北後に「代表引退」を表明したことについて、「自分本位で発信したのは不躾だと承知しています」としながらも、チームメイトに知らせた時のことを、「普段僕のことを鬱陶しく思っていると思います。結構僕言うので。でも涙してくれる選手、嬉しい言葉をかけてくれる選手がいたのは、僕にとって言葉で言い表せない喜びです。素晴らしい仲間をもったなと思います」と誇らしげに語った。
一方で、「12~13年代表でプレーし、この会見が終わったら僕の代表の公式的なものはすべて終わります。喪失感はすごい」と率直な思いも口にしている。
代表チームでは、真面目すぎる性格をからかわれ「長谷部か!」というツッコミも誕生したのは有名な話。この日もこのように誠実さを感じる言葉が続いたが、報道陣から「次世代の代表選手たちに、長谷部選手やみなさんがやっていたことで受け継いでほしいこと、信条はあるか」と問われると、様子が変わった。
「ええ、そうですね」と言いながら数秒言葉を考えた長谷部選手は、苦笑いしながら、
「『散歩隊』は続けてほしいなと思うんですけど。...まあ僕はそんなに参加しなかったんですけど」
と発言。「あれもコミュニケーションのひとつなので、いいなと思うものでもあり」と話を続けたが、
「まあ今のはちょっと、みなさんに笑ってもらうところなんですけど」
と「ボケ」だったことを暴露した。「続けてほしい」と言いつつ「自分は参加していない」というのが笑い所だったのだろうか。会場の反応は鈍かった。
「そんなツッコミももう入れられないのかと思うと...」
インターネット掲示板やツイッターでは、
「長谷部スベリ芸かw」
「あああああああ滑った」
「ギャグ全く通じず」
「長谷部の渾身のボケが全くうけなかった!!(笑)」
「最後まで、真面目かボケか分かりにくいわ!w そんなツッコミももう入れられないのかと思うと、本当に悲しい...」
などといった投稿が殺到。「俺は笑ったよ」というフォローもあった。
「散歩隊」は、合宿中の代表メンバーが空き時間に行ってきたもの。宿舎周辺を散歩し、リラックスした状態で本音を語り合うことにもつながる。もともとは06年ドイツW杯を戦ったジーコ監督時代、中沢佑二選手らが呼び掛けてスタートした。
ロシアW杯期間中は長友佑都選手が、本田圭佑選手、乾貴士選手らとともに歌いながら歩く動画をツイッターにアップし、サポーターから反響があった。この動画にも長谷部選手はいなかった。
「ボケ」のあと、会見で長谷部選手は表情を引き締め、
「今回のW杯を通じて、西野監督も言われた通り選手たちは『自分たちがやらなければ』と思って作り上げた戦いだと思います。これは日本代表チームのベースになると思います。今回若い選手がたくさんいたので引き継いでくれるものと思っています」
と、次世代に「真面目に」メッセージを贈っていた。
会見では、続投論もささやかれていた西野監督の去就について田嶋会長が説明。任期は変わらず、7月末で代表監督の職を終えると発表された。