ヴァイッド・ハリルホジッチ前監督のままだったら、日本代表はロシアW杯で「ベスト4」もありえた――。惜しい逆転負けを喫したベルギー戦の直後、ツイッターでこう訴えたのは、ハリル氏の通訳を務めた樋渡群氏の兄・類さんだ。
さらに類さんは、試合後のピッチ上でのインタビューで、西野朗監督がハリル氏について一切言及しなかったことを受けてか、「西野さん、まだハリルホジッチさんへの敬意を表明できないんだ」とも呟いていた。
「ヴァイッドの戦術でやってれば...」
類さんはハリル氏の解任騒動を受けて、2018年4月にツイッターを開設。サッカーライターの宇都宮徹壱氏が、5月16日「Yahoo!個人」へ寄稿したコラム記事の中で、類さんのアカウントを紹介している。
なぜ、通訳の「兄」という立場の類さんが、ハリル氏に関する発信を始めたのか。その理由について、本人は5月11日のツイートで、
「ハリル氏への不当な名誉毀損(原文ママ)を、直接彼を知る友人として是正したくて実名対応しています」
と明かしている。実際、彼の投稿やメディア出演時の発言をみると、一貫してハリル氏に擁護的な姿勢を保っている。
そんな類さんは7月3日朝、日本が2-3でベルギーに惜敗し、ロシアW杯での敗退が決まった直後のツイッターで、「スルー推奨」と前置きしつつも、
「ヴァイッドの戦術でやってればベスト8、ラッキー重なればベスト4がありえたなと思うと悔しい」
などと呟いたのだ。さらには、西野監督が試合後のインタビューで、敗戦を受けて「何が足りないんでしょうね」とコメントしたことについて、
「今回は偶然・ラッキーも重なったように見えるので、再現性を高めた上でさらに上位をと考えると、足りないものだらけですよね。『あと(少し)何が』足りないのか、という認識だと甘すぎるんじゃ?と思いました」
との持論も展開していた。
「恐ろしい闇だね。ほんとに」
また類さんは、西野監督が同じインタビューの中で、ハリル氏に一切言及しなかったことを受けてか、「まだハリルホジッチさんへの敬意を表明できないんだ。恐ろしい闇だね。ほんとに」ともツイートしている。
類さんは、「これ西野さんも選手も責めてもないし批判もしてませんので、ご自分が望む讃え方と違うからといって誹謗中傷を寄せないでください」と釈明。その後も、自身に批判的な意見を送るユーザーに対し、
「難しい仕事を終えた西野さんを慮ってのツイートなのですが、何か誤解されていませんか...」
などと訴えていた。
なお西野監督は、試合後の会見でハリル氏に言及していた。質疑応答の場面で、上述したライターの宇都宮氏の質問に答える形で、
「ハリルホジッチ監督がずっと積み上げてこられたスタイル、チームにもたらしたものは大きいと思いますし、私自身も継承するところはしないといけない」
などとコメントしたのだ。
こうしたやり取りについて、類さんは「でも宇都宮さんかどなたかがああいう聞き方しなかったら、特に(ハリル氏について)言わなかったわけですよね。もう質疑応答に入っていたということは」との感想を呟いていた。