金正恩氏、中朝国境めぐりの意味 3日連続「現地指導」報道、その狙いは?

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紡績工場の計画未達に「とても胸を痛めた」

   7月2日には、新義州の化学繊維工場と紡織工場の指導を報じた。「成果」が報じられることが多い北朝鮮の報道の中で、現状の問題点を指摘する珍しい内容だ。朝鮮労働党が力を入れている次代教育事業の「問題の一つが紙の需要を満たせずにいること」で、この化学繊維工場では葦を原料にして紙を試験生産したという。正恩氏は紙を見て、

「この程度なら悪くない、紙の質と生産性を高めるための研究をいっそう深めなければならない」

などと述べた。一方の紡績工場は「人民経済計画未達成状態」だといい、その報告を受けた正恩氏は

「(金日成)主席と(金正日)総書記の指導事績が多く宿っており、過去、国の軽工業の発展に積極的に寄与した歴史のある工場がその誇らしい伝統を生かせずにいることにとても胸を痛めた」

という。その上で、

「工場の党委員会が従業員の労働条件と生活条件の改善に関心を払っていないこと」

について指摘し、従業員寮を建設するなど待遇改善を指示したという。

   これらの国営メディアの報道には中国に関する言及はないが、韓国メディアは

「金委員長の相次ぐ視察は中国の経済協力を視野に入れたものとの分析も出ている」(聯合ニュース)
「朝中経済協力を念頭に置いた布石ではないかと見られる」(ハンギョレ)

などと報じている。

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