ロシア・ワールドカップ(W杯)決勝トーナメント1回戦・ポルトガル対ウルグアイ戦(1-2)で、FWクリスティアーノ・ロナウド選手(33)の「スポーツマンシップ」を感じさせる行動に賛辞が集まったが、同時に、サッカー好きの女優・小柳ルミ子さん(66)の過去の発言が掘り返されている。
小柳さんは、ロナウド選手の「人間性が嫌い」と酷評してきたためだ。インターネット上では「このロナウドをみて小柳ルミ子はなにを思う」などといった投稿が相次いだ。
「ロナウドは素晴らしい行動だった」
2018年7月1日未明(日本時間)に行われた一戦は、後半25分のウルグアイのゴールキック時、ペナルティエリア内で守備をしていた、この日2ゴールのウルグアイFWエディンソン・カバーニ選手(31)がベンチに向かって手をあげた。顔を歪め、左足を引きずっている。まともに動くことができない状況だ。
すると、フィールド内で手助けしたのは、対戦相手ポルトガルのロナウド選手だった。駆け寄って肩を貸し、ゆっくりと歩を進め、ゴールラインからピッチ外に送り出すと、踵を返して戻っていった。カバーニ選手はプレー続行できず、約4分後に交代した。
敵味方の垣根を越えたスポーツマンシップを称えるように、スタジアムでは拍手と声援が鳴り響いた。ツイッター上では「一番感動したシーンだわ。これはなかなかできない」「このシーン美しかったな。優しい世界」などと賛辞が止まない。
ポルトガルが1-2で負けていたため、ロナウド選手に対して「こいつの性格からして、早くプレー再開したかっただけでしょ」という意見は数多い。だが、「負けてる展開で早くプレーを再開させたいというのは普通。けどカバーニの歩くスピードに合わせ急がせる事なくピッチの外へ連れて行くロナウドは素晴らしい行動だった」と、行動自体は称賛されるものだとする声も少なくない。
同時に見られたのが、小柳ルミ子さんへの言及だ。
「このロナウドをみて小柳ルミ子はなにを思うんやろうか。これでもまだディスるんかな」
「ルミ子は何を持ってロナウドの人間性疑ってるんだ」
「これがスーパースター、これが一流 小柳ルミ子見てるか?」
こんな声が相次いだ理由は、小柳さんがロナウド選手を公然と酷評していたからだ。5月27日、ロナウド選手擁するレアル・マドリードとリバプールが戦った欧州チャンピオンズリーグ(CL)決勝で、中継したフジテレビで副音声解説として出演した時のことだった。
「なぜ笑うんだ? 彼のポルトガル語は上手だよ」
小柳さんは、「メッシは人として、本当に最高の人間性なの。(ロナウドは)素晴らしいアスリートってことは認めるけど、でも私は人間性が好きじゃない。人間性が伴わない人は、私は尊敬できない。仕事ぶりを見てれば分かるでしょ」と、ロナウド選手の人間性を否定していたのだ。かねてからバルセロナ、特にリオネル・メッシ選手の大ファンだと公言しており、一方のレアルはその最大のライバルクラブに当たる。こうした発言が掘り返され、再び議論の的となった形だ。
ロナウド選手は荒々しい挙動や不遜な態度を見せることもあり、性格をめぐってはサッカーファンの間でも意見が割れる。ただ、その人間性を表すようなエピソードがいくつかある。
来日していた14年7月22日、企業のPRイベントに出演したロナウド選手は、日本のサッカー少年から質問を受けた。メモを見ながら、たどたどしいポルトガル語で「ロナウド選手と一緒にプレーするのが夢です。どうすれば叶えられるでしょうか」と懸命に尋ねたが、報道陣からは笑いが起きた。だが、身を乗り出して少年の話を聞いていたロナウド選手は、「なぜ笑うんだ? 彼のポルトガル語は上手だよ」と真顔で報道陣を諫めていた。
もう1つよく言われるのがタトゥー(入れ墨)。欧州・南米の選手の多くが体にタトゥーを彫っている中で、ロナウド選手は一切入れていない。その理由は、18年3月27日の英紙デイリー・ミラーによると「定期的に献血をしているからだという」。入れ墨は体に傷をつけるため、そこからウイルス感染のおそれが生じる。
日本赤十字社でも、「6カ月以内にいれずみを入れた方は、肝炎等のウイルス感染の可能性が否定できませんので、献血をご遠慮いただいています」とウェブサイトで知らせている。ロナウド選手自身、製薬企業と献血を呼びかける「#BeThe1Donor」運動を進めており、自身のインスタグラムでも発信することがある。
なお、こうした姿を知ってか知らずか、小柳さんはかつて「大好きなロナウド」とも言っていた。上記の来日時には「事前に情報入手してたら逢いに行ったのにショック」(14年8月2日のブログ)と敬愛を示していたことから、ツイッターでは今回「前はファンだったんでしょうね。キャラ作りでメッシ狂になってると思いますよ」との投稿も見られる。