高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ
W杯・日本-ポ戦の新視点 「市場価値」「確率」で計算すると...

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   日本代表チームの活躍で、サッカー・ワールドカップ(W杯)ロシア大会が盛り上がっている。

   本コラムでは、今夜(2018年6月28日)行われるグループステージの対ポーランド戦を予想してみよう。

  • 西野朗監督(2018年6月2日)
    西野朗監督(2018年6月2日)
  • 西野朗監督(2018年6月2日)

主要選手の市場価値合計

   32か国が参加したグループステージは、日本、セネガル、コロンビアを除く29か国はすでに突破14か国、敗退15か国が決定している。

   筆者は、国ごとのサッカーチームの強さを図る際、ある指標を参考にしている。

   それは、各国の主要選手の「市場価値」に関する数値だ。

   これは無粋であるのは十分に承知しているが、FIFAランキングのようなものより、市場の金額表示の方を筆者は好むからだ。

   有名な海外統計サイトからとったものであるが、各国の代表・主要選手の市場価値合計とグループステージの突破状況は、筆者のツイッターにある。

   日本98億円は、参加32か国中25位。これでグループステージを突破すれば、最少の市場価値であり、あっぱれだ。

   同じH組で、突破を競っているセネガルは389億円、コロンビアは326億円。

   敗退し今夜の日本の相手であるポーランドは357億円。いずれの国も日本との差は歴然としている。

日本が突破できる確率は...

   13億円以上の市場価値をもつ選手は、日本では香川選手だけであるが、セネガルは9人、ポーランドは8人、コランビアは8人と桁違いなのである。

   この市場価値データは、これまでの試合結果をある程度予測できる。

   上位16か国をみると、確定した14か国中突破12か国、敗退2か国。下位16か国では、確定15か国中突破3か国、敗退12か国。明暗がはっきりしている。

   日本のグループステージ突破かどうかは、今夜のポーランド戦による。この場合分けはやや複雑である。

   日本が勝つか引きわければ突破だ。

   負けた場合はセネガル・コロンビア戦による。

   セネガルが勝てば日本は突破だが、引きわけると日本は敗退だ。負けた場合は得失点差が問題になって複雑だ。

   そこで、日本がグループステージを突破できる確率を計算してみよう。

   これまでの44試合において、両国の市場価値をみると、それぞれの確率は、格上が勝つ57%、引き分け21%、負け23%だ。

   これを使うと、日本がポーランドに勝つか引き分ける確率は43%。

   日本が負けてセネガルが勝つ確率は32%(=57%×57%)。

   これから、日本が突破できる確率は75%以上になる。

   これは手に汗握る展開になる。もちろん、勝負はいつも予想外があるので楽しい。

   日本の健闘を期待したい。


++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣参事官、現「政策工房」会長
1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわ ゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。著書に 「さらば財務省!」(講談社)、「『年金問題』は嘘ばかり」(PHP新書)、「大手新聞・テレビが報道できない『官僚』の真実」(SB新書)など。


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