ロシア・ワールドカップ(W杯)のグループリーグ(GL)第3戦・日本対ポーランド戦がフジテレビ系列で全国中継される。
フジがW杯ゲームの生中継するのは実に16年ぶり。視聴率低迷が長引くフジとしては、低迷払拭の大チャンスともいえる。しかもゲームは日本が引き分け以上なら決勝トーナメント進出が決まるというテレビ局にとってはこれ以上ない絶好のコンテンツ。だが、フジがライブ中継という点をめぐって、インターネット上では心配の声が相次いでいる。
過去のスポーツ中継に心配の種
試合開始は2018年6月28日の23時からだが、フジテレビの力の入れようは放送時間に現れている。久しぶりの放送とあってか、気合は十分で、今大会の日本代表戦の中継では最も時間を割いている。
19日の対コロンビア戦はNHKで放送され、21時のキックオフに対し、19時30分から放送を開始し、4時間を確保した。
対セネガル戦は日本テレビが中継。25日0時からのキックオフであったが、24日22時から4時間30分を行った。
そして、フジテレビなのだが、23時からのキックオフに対し2時間前の21時から翌2時までの5時間、と最長の時間を確保している。
21時からの事前番組ではドキュメンタリー系バラエティ番組「奇跡体験!アンビリバボー」とのコラボ企画を放送する。
しかし、フジテレビの気合いとはよそにインターネット上では、不安の声が寄せられている。
「フジテレビで放送というのが何となく不吉に思う...」
「フジテレビで放送!? 嫌な予感しかしない」
アナ雪を想起する人も
何故、こうした心配する声が上がるのかというのも、フジテレビは過去、スポーツ中継においての「前科」があるからだ。
たとえば、ブラジル・リオデジャネイロで2013年8月28日に行われた「世界柔道」の男子66キロ級決勝戦では、ロンドン五輪銅メダルの海老沼匡選手が勝ち進んだが、試合の最中に生中継の番組を終了してしまった。
2013年9月8日の「フジサンケイクラシック」では、松山英樹選手、谷原秀人選手、S・J・パク選手(韓国)とのプレーオフが行われていたが、プレーオフ2ホール目の途中で生中継を打ち切った。
更に、2017年3月29日に行われた「2017年世界フィギュアスケート選手権」の女子ショートプログラムでは、トップバッターの樋口新葉選手の演技は生中継したものの、2番目に登場した三原舞依選手がリンクに姿を見せるとCMや三原選手のこれまでを振り返るVTRを放送し、肝心の三原選手の演技は録画放送した。
もっとある。東京・両国国技館で2017年10月22日に行われたボクシングWBAミドル級1位の村田諒太選手(帝拳)と王者のアッサン・エンダム選手(フランス)の試合では、7回終了後にCMを放送。しかし、CM中にエンダム陣営からギブアップ宣言があり、CM中に村田選手がWBAミドル級新王者になっていた。
こうした過去の「実績」が心配の原因となっているのだが、心配に拍車を駆けているのはスポーツ以外でも似た事例があるからだ。
2017年3月には、ディズニー映画「アナと雪の女王」がフジテレビで地上波初放送された際、エンディングロールが丸ごとカットされ、「みんなで歌おう! Let's sing together! Let it go!」と独自企画を放送し、批判が寄せられた。
こうしたフジの「独自演出」が視聴者にとっては余計なことにあたるようで、
「今夜のサッカーワールドカップ対ポーランド戦は、フジテレビが放送か...『アナと雪の女王』の放映みたく、お台場のセンスで余計なことをしそうだ」
「余計な演出入れなきゃいいけど」
といった声もあがっている。