元環境相の細野豪志衆院議員に5000万円を貸し付けた東京都内の証券会社が、元民主党衆院議員ら3人を役員にしていることについて、なぜなのかといった疑問の声がネット上で相次いでいる。
この証券会社の親会社は、大阪市内で自然エネルギーの開発を手がけているが、何か関係があるのかということだ。
証券会社「選挙資金として貸し付けたのではない」
細野議員への貸し付けについては、朝日新聞が2018年6月27日付朝刊1面トップで報じ、その後各紙が追って伝えた。
報道などによると、細野議員は、証券会社に貸し付けを依頼し、衆院選投開票日の3日前の17年10月19日に5000万円の提供を受けている。選挙資金であれば、選挙運動費用収支報告書に記載する必要があるが、細野氏は18年4月4日、個人的な貸し借りを記載する資産報告書で借入金を5000万円と訂正した。そして、同月9日に利子を含めて全額を証券会社に前倒し返却している。
細野議員の国会事務所は6月27日、J-CASTニュースの取材に対し、その経緯を次のように説明した。
「秋以降、急に政治資金が必要になる可能性があると考え、個人として借り入れをしましたが、具体的な政治資金需要が生じませんでしたので、使うことなく利息も含めて返済しました。法にのっとり適切に対応させていただいております」
とはいえ、証券会社はなぜ細野議員に多額の現金を貸し付けたのだろうか。
証券会社の担当者は27日、「選挙資金として提供したのではない」としたうえで、次のように取材に説明した。
国会議員3人の役員就任には、「回答を控える」
「過去に環境大臣をされており、自然エネルギーについても理解が深いと考えました。細野さんの政治活動を支援しようというのも目的の1つです」
つまり親会社が自然エネルギー開発会社であることから、細野豪志議員に何らかの政策を進めてもらおうという意味だ。
開発会社が証券会社の親会社になった2017年5月には、細野議員がかつて所属していた旧民主党の元衆院議員2人と旧日本維新の会の元衆院議員1人が常勤や非常勤の取締役になっている。
なぜ国会議員が3人も役員に就任したのだろうか。このことも、自然エネルギーの推進などと何か関係があるのか。
この点について、証券会社の担当者は、「回答については、差し控えさせて下さい」と取材に答えた。