2018年6月27日に1か月ぶりに行われた党首討論で、安倍晋三首相から「本当に(党首討論の)歴史的な使命は終わってしまった」という言葉が飛び出した。立憲民主党の枝野幸男代表が前回の討論後「今の党首討論という制度の歴史的意味は終えた」などと述べたことを皮肉った。
今回の枝野氏とのやり取りでは、当初はある程度議論がかみ合う場面があったものの、終盤になって枝野氏が6分間もかけて安倍政権の問題点を列挙。安倍氏は「売り言葉に買い言葉」とばかりに、過去の議事録を延々と読み挙げるなどして時間を稼いだ末の「捨てゼリフ」だった。
子育てめぐる問題では議論かみ合ったように見えたが...
党首討論は、安倍氏が長々と答弁する時間も、野党側の持ち時間が消費されたものとしてカウントされる。そのため、枝野氏は前回5月30日の討論後の記者会見で、
「意味のないことをだらだらとしゃべる総理を相手に、今の党首討論という制度の歴史的意味は終えたことが今日の討論を通じてはっきりした」
「(答弁者側の時間はカウントされない)片道方式でやるとか、そういう工夫がないと不可能」
などと不満を爆発させていた。
今回の党首討論では、枝野氏は冒頭部分では「森友・加計」問題を封印。自民党の二階俊博幹事長が
「子どもを産まないほうが幸せに(生活を)送れるんじゃないかと、(一部の人は)勝手なことを自分で考えている」
などと発言した問題を質した。これに対して安倍氏は
「まさに子どもを持つか持たないか、あるいは結婚するかしないか、これはそれぞれが人生において選択すべきことであり、私たちがそれぞれにおいていちいち意見を言うべきではないし、事実、私の家庭も残念ながら子宝には恵まれてはいない」
と応じ、枝野氏も
「実は我が家も長年、不妊治療に取り組まざるを得ない中で、我が家の場合幸い、10年弱で子宝に恵まれた。総理の今の子育てに関する発言については、総理の真摯な思いだろうと受け止めたい」
と一定の理解を示した。