サッカー日本代表GK川島永嗣(35)への批判がやまない。ロシア・ワールドカップ(W杯)で痛恨のミスが続き、第3戦・ポーランド戦でも先発起用されるかどうかは目下最大の関心事の1つとなっている。
そうした中NHKでは、憶測を駆り立てる映像が放送された。代表3選手のコメントだったが、2人はここまでの主力選手なのに対し、もう1人はW杯でまだ出番のないGK中村航輔(23)だった。
「どんなシチュエーションでもゴールを割らせない」
川島はW杯2戦でパフォーマンスが不安視されている。コロンビア戦(2-1)は直接FKをゴールラインの内側でキャッチして同点を許したほか、DFとGKの間のボール処理には消極的で守備範囲の狭さを露呈。セネガル戦(2-2)は正面のボールにキャッチングでなくパンチングを選択し、跳ね返りが相手に当たって先制点を献上した。
2018年6月27日の日刊スポーツは、西野朗監督は28日のポーランド戦も川島を起用する考えだと報道。同日のスポーツ報知では、基本的に先発選手が出席する試合前日会見に川島が座ると報じた。だが、インターネット上では反対論も多い。
ポーランド戦2日前の26日深夜、NHKはオーストラリア対ペルー戦(0-2)中継後に日本代表情報を伝えたが、やや意味深だった。
練習場での3選手の簡易インタビューで、まずW杯2戦フル出場のDF吉田麻也が「出ていない選手もいる中で、そろそろ出たいとうずうずしている選手の突き上げを感じる」と話した。セネガル戦で同点弾のMF本田圭佑は、「個人的に1得点じゃ満足できない。チームも勝ち点4では満足できない。結果を出せるよう最高の準備をして、ポーランドと戦いたい」と力強く語った。
そしてもう1人は、W杯で出番のないGK中村航輔だった。ポーランド戦に向け、
「敗退が決まっているチームだが、国の誇りをかけて戦ってくると思う。こちらも全力で戦いたい。どんなシチュエーションでもゴールを割らせないというのは共通理解ができている。そこを意識してやりたいと思う」
と述べていた。登録メンバーなので当然といえば当然だが、次戦の出場を念頭に置いたコメントとも取れる。そのため、ネット掲示板では、
「中村航輔出るの?」
「中村出ることが決まってるようなコメントだな」
「中村インタビュー伏線」
「中村のインタビューとってるってことは水面下で交代の情報を得たのか」
と憶測を呼ぶことになった。
小島伸幸氏「若さがあり、非常に思い切りがいい」
GKは中村と東口順昭(32)も控える。中村はネット上で「コースケは比較的プレッシャーに強いタイプ。2試合連続ポカやった川島さんがそのまま使われるのって、納得いかない」「中村にすればこの経験から大化けする可能性だってあるだろ」と将来性を期待されている。
元日本代表GKで解説者の小島伸幸氏も、25日の「ニュースウォッチ9」(NHK)で、ポーランド戦の先発GKについて「中村選手。若さがあり、非常に思い切りがいい。守備範囲を思い切りよく広くとると、若さが生きる可能性が出てくる」と提言。提示したスタメン11人は、セネガル戦から唯一GKのみ入れ替えた。
一方、「中村も東口も経験浅いのにいきなり出す方が怖い」「東口中村出して、テンパるよりはマシかも」と川島続投論も根強い。中村に関しては所属のJ1・柏レイソルでも、シーズンベスト11に入った昨季ほどのパフォーマンスは披露できていない。
代表では、W杯前最後の実戦となったパラグアイ戦に東口と中村が45分ずつ出場したが、両者1失点ずつ。実績のある川島を超えるインパクトを残せたとは言い難かった。サッカージャーナリストの河治良幸氏は25日、ツイッターで「パラグアイ戦を見る限り東口選手か中村選手にかえたら解決とも思えません」との見解を載せていた。
3人のうち唯一海外クラブに所属し、W杯も3度目の川島。代表キャップ数も2人を大きく超える。この2戦は負けておらず、ポーランド戦は引き分け以上で自力突破が決まる大一番であるため、メンバー変更はリスクになるという意見もある。果たしてGKは誰が起用されるのか、2大会ぶりの16強へ、西野監督の決断に注目が集まる。