森友学園問題の捜査を担当した大阪地検特捜部の山本真千子(まちこ)部長(54)が、北海道の函館地検検事正に異動する人事が発令された。
この問題では様々な情報が飛び交っただけに、ネット上では、栄転か左遷かを巡って憶測が流れている。
「立件に意欲」「政権に忖度か」など情報が錯綜
山本真千子氏は、東京高検検事などを経て、2015年10月から大阪地検特捜部長を務めていた。
森友学園問題の捜査では、陣頭指揮を執り、佐川宣寿元国税庁長官らの立件に意欲を示しているとの情報も一部で伝えられた。無所属の会の江田憲司衆院議員が18年4月、「大阪地検の女性特捜部長のリークがどんどん出てくる」などとツイートすると、物議を醸した。江田氏は後に、「言葉足らずだった」と訂正している。
一方、森友捜査については、大阪地検特捜部は5月に、佐川氏ら財務省職員ら38人を不起訴処分にした。山本氏は会見で、「犯罪にあたるかどうかは慎重に考えざるを得ない」と説明したが、安倍政権に忖度したのかなどと不満の声も上がっていた。
今回、6月25日付で函館地検検事正となる人事が発表されたことを受け、ツイッターやネット掲示板では、この人事がどんな意味を持つのか議論になっている。
大澤孝征弁護士「不起訴にした論功行賞かな」
佐川氏らを不起訴処分にしたことを重く見て、「また安倍晋三の『ごほうび人事』かよ!」「有利な忖度すると栄転するんだよなw」といった声が出た。
反対に、「左遷だろう」「函館に飛ばされたんだな」などと逆の見方も多く出たほか、どちらでもない通常のルートでは、との意見もあった。
ここ数年で報じられた法務省人事を見ると、大阪地検特捜部長からは、東京高検検事兼最高検検事になったケースや東京高検刑事部長になったケースがあった。
山本真千子氏の異動について、元東京地検検事の大澤孝征弁護士は6月26日、J-CASTニュースの取材に対し、「栄転だと思います」との見方を示した。
「不起訴にした論功行賞かなと思いますね。札幌などでは批判を受けるので、そこそこに留めた印象もあります。出世は出世でしょう。ただ、大方の検察OBは、不起訴なんてとんでもない、筋を通してほしかったと思っていますよ」