「本日わたしは炎上しました」――。こんなタイトルの作品を連載している漫画家が、フィクションではなく現実で「炎上」してしまった。
「落書きと悪ふざけの漫画家」を自称するどげざ氏(@nekonekocha)のことだ。特定の人種を差別するようなツイートを過去に投稿していたことが問題となり、ネット上に「ヘイトはダメ」「これはひどい」といった批判が相次ぐ騒ぎとなったのだ。
「お前が炎上してどうすんねん」
どげざ氏の「本日わたしは炎上しました」は、2018年5月19日発売の雑誌「まんがタイムきららMAX 7月号」(芳文社)で連載が始まったばかりの4コマ漫画だ。
主人公は人気動画クリエイターを目指す女子高生。再生回数を稼ぐため、あえて過激な内容の動画にチャレンジし、ネットを「炎上」させようと奮闘する様を描いたコメディー作品だ。
こうした斬新なテーマの漫画を生んだ作者に、まさかの炎上騒ぎが起きた。
どげざ氏が漫画家としてデビューする前の12年9月に、韓国や北朝鮮の人への差別表現を使った不適切なツイートをしていたことが、今回の連載スタート後にネット上で問題視されたのだ。
きっかけは、あるツイッターユーザーが18年6月24日、問題のツイートを「ヘイト発言があったようだ」と紹介したこと。これを皮切りに、特定の人種を批判したような他の投稿も発掘され、どげざ氏はたちまち炎上状態に。ツイッターやネット掲示板には、
「よく自己紹介付きでヘイトスピーチ出来るな」
「×××(伏字編集部、原文は上記の差別語)って言葉でさすがに完全アウトで一発退場だろ」
といった批判的な書き込みが続出。さらに、漫画のタイトルを引き合いに、「お前が炎上してどうすんねん」「漫画のタイトルの通りになってて草」などと揶揄するユーザーも目立っていた。
作者が謝罪「最低限のマナーを欠いておりました」
こうした批判を受けて、どげざ氏は25日のツイッターで、「特定の人種への蔑称を使用しヘイトスピーチだと思われてしまう表現、および特定の方々を不快にさせる表現を使用したことを深くおわび申し上げます」と謝罪。その上で、
「6年前の発言当時の私は19歳と若く、注目されることも無かった為に言葉を選ぶという最低限のマナーを欠いておりました。また、当時の発言が現在の特定の方々に影響を与え不快感を与えるとは思考が及ばずこのようにお騒がせする形となりました」
と釈明した。問題視された過去の投稿に関しては、「これ以上不快な方を増やすことは無いよう削除という形で対処致します」と伝えている。
だが、こうしたどげざ氏の謝罪文に対しても、投稿のリプライ(返信)欄などには、
「若気の至りなら何だって許されるのか」
「ヘイトスピーチだと思われてしまう...?受け取り手の問題にすり替えるのはいかがなものかと」
といった批判が相次いでいる状況だ。
なお、どげざ氏が作品を連載している「まんがきららタイムMAX」編集部の担当者は26日午後、J-CASTニュースの取材に、
「現時点では、これ以上の対応は考えていない」
と話していた。